BYDシール(SEAL)試乗記・評価 日本勢脅威のスポーツセダン

  クーペ風の美しいシルエットをもつシール バッテリーEVの分野でテスラと熾烈なトップ争いを演じているのが中国のBYDだ。2022年夏に日本に参入することを発表し、矢継ぎ早にATTO3とドルフィンを投入した。そして第3弾として送り出したのが、4ドアセダンのシールである。2023年秋に開催されたジャパンモビリティショーに、参考出品の形で展示されていたから見た人も多いだろう。ちなみに車名の「SEAL」は、ドルフィン(イルカ)と同じ海獣で、アザラシのことだ。顔立ちなどからも海…

日産、ホンダ、三菱連合誕生! トヨタ、ダイハツ、マツダ、スバル同盟に対抗? それとも「オールジャパン」体制への布石?

 荒波に立ち向かうため、日産、ホンダ、三菱連合が誕生! 日産とホンダ、そして三菱は、2024年3月15日に日産とホンダが締結した、自動車の知能化・電動化に向けた戦略的パートナーシップの検討開始に関する覚書に基づく検討枠組みについて、三菱が新たに参画し、三社で協議を進めることについて覚書を締結した。  真の意味での「オールジャパンに」期待!? 自動車メーカーは、BEVをメインとしたカーボンニュートラル時代への対応や、自動運転技術など、大きな投資が必要な…

スズキ、10年先を見据えた技術戦略とは?

    スズキの行動理念「小・少・軽・短・美」ってナニ? スズキは、10年先を見据えた技術戦略を発表した。スズキは、製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現し、世界中の人々に移動する喜びをご提供しつつ、カーボンニュートラルな世界を目指としている。こうしたスズキの技術戦略には、行動理念である「小・少・軽・短・美」が重要な役割を果たしている。「小・少・軽・短・美」とは以下の意味をもつ。「小」はコンパクトにまとめる方が効率アップにつなが…

ヒョンデ アイオニック 5 N(IONIQ 5 N)試乗記・評価 驚異の走りと脅威な価格

 ヒョンデの電気自動車アイオニック5に激速スポーツモデル「N」が登場! 2023年以降、海外からも多くのバッテリーEV(BEV)が日本に上陸し、BEV戦国時代の様相を呈している。最初は、ファミリーカー的な性格のBEVばかりだった。だが、バリエーションが増えてくると、徐々にスポーツモデルも発売されるようになる。当然だろう。モーター駆動のBEVは、瞬時にパワーとトルクが立ち上がり、加速は強烈だ。ちょっと手を加えるだけで、バカッ速いホットモデルに生まれ変わる。内燃機関には、古くからバリ…

ホンダN-VAN e: 新車情報・購入ガイド ライバル発売延期で、千載一遇のチャンス!?

商用&レジャー用にも十分な航続距離254㎞ ホンダは、すでに先行公開されていた新型軽商用EV(電気自動車)新型「N-VAN e:(エヌバン イー)」を10月10日に発売すると発表した。N-VAN e:のベースとなっているのは、車名からも分かると通り、2018年に登場した商用車N-VANだ。このN-VANは「低床大空間」、「ピラーレス大開口」、「フラットフロア」を特徴として登場した。可愛らしいルックスもあり、商用からホビー用途まで、幅広いニーズに対応する軽バンとして高い人気を得ている。N-V…

日産アリアNISMO(ニスモ)試乗記・評価 走りを極めたプレミアムスポーツEV!

 アリアの本命!? NISMOがついにデビュー リーフに続くバッテリーEVとして日産が送り出したのがアリアだ。だが、正式発表直後に新型コロナウイルスや半導体不足を理由に新規の受注をストップ。これに工場のトラブルが重なったこともあり、生産計画は大幅な修正を強いられた。期待の「アリアe-4ORCE」も販売が延び延びになってしまった。しかし、3月下旬から全グレードの注文受け付けを再開し、6月にはスポーツモデルのアリアNISMO発売を開始する。アリアNISMOは、電動4WDの「e-4OR…

2024 バンコク国際モーターショーレポート VINFAST編

 ベトナム発のビンファスト(VINFAST)もBEVを出展 今回のバンコク国際モーターショーに初出展した注目の自動車メーカーは、ベトナムのビンファスト(VINFAST)だ。コンパクトなハッチバックタイプのBEVからガソリン車、ピックアップトラックなど、さまざまなモデルを展示。タイ市場に対して意欲的に取り組もうとする姿勢がひしひしと伝わってきた。ビンファストVF3は、コンパクトBEVで、全長は3190㎜と日本の軽自動車よりも短く、全幅は5ナンバー車サイズに近い1679㎜、全高が16…

2024 バンコク国際モーターショーレポート Zeekr編

圧倒的な価格競争力をもつBEVメーカー?「Zeekr(ジーカー)」 シャオペンとともに、聞き慣れない自動車メーカーがジーカー(Zeekr)だ。これは、ボルボを買収したことでも知られる中国の吉利汽車(ジーリー汽車)が展開する中国の新能源車(BEV、FCV、PHVなどの新エネルギー車)ブランドだ。シャオペンと歩調を合わせるように、同じ広さのスペースで新規出展してきた。この出展の仕方から見て、表向きはともかく、実際には中国政府から背中を押されてというか、お尻を蹴飛ばされるようにしてバンコク国際モ…

2024 バンコク国際モーターショーレポート シャオペン編

 急速充電器にもこだわるシャオペン 今回のバンコク国際モーターショーに、初めて出展した中国メーカーは2社あった。そのうちのひとつシャオペンは、クルマだけでなく“空飛ぶクルマ”も展示していた。シャオペンは、バンコク国際モーターショーの後に開催された北京モーターショーでもエアロHTを出展していた。バンコク版と北京版は異なるモデルのようだが、北京では年内にも発売予定としていたので、いよいよ“空飛ぶクルマ”の時代がやってきそうだが、中国はともかく日本やタイやでは法規上の課題も多く、そう簡…

2024 バンコク国際モーターショーレポート GAC/AION編

 テスラを意識? 広州汽車(GAC、AION) 広州汽車は、中国語で新能源車(BEV、FCV、PHVなどの新エネルギー車)に対し、AIONのブランドで展開している。今回のショーには、コンセプトカーとしてハイパーHTを出展していた。やや高めの全高を持つ独特のモデルで、フロントドアは通常のヒンジ式のドアだが、リヤドアはガルウイング式が採用されている。これはパクリとまではいえないにしても、テスラのモデルXを意識したモデルであるのは間違いないだろう。ハイパーHTは、コンセプトモデルながら…