2024 バンコク国際モーターショーレポート Zeekr編

圧倒的な価格競争力をもつBEVメーカー?「Zeekr(ジーカー)」 シャオペンとともに、聞き慣れない自動車メーカーがジーカー(Zeekr)だ。これは、ボルボを買収したことでも知られる中国の吉利汽車(ジーリー汽車)が展開する中国の新能源車(BEV、FCV、PHVなどの新エネルギー車)ブランドだ。シャオペンと歩調を合わせるように、同じ広さのスペースで新規出展してきた。この出展の仕方から見て、表向きはともかく、実際には中国政府から背中を押されてというか、お尻を蹴飛ばされるようにしてバンコク国際モ…

2024 バンコク国際モーターショーレポート シャオペン編

 急速充電器にもこだわるシャオペン 今回のバンコク国際モーターショーに、初めて出展した中国メーカーは2社あった。そのうちのひとつシャオペンは、クルマだけでなく“空飛ぶクルマ”も展示していた。シャオペンは、バンコク国際モーターショーの後に開催された北京モーターショーでもエアロHTを出展していた。バンコク版と北京版は異なるモデルのようだが、北京では年内にも発売予定としていたので、いよいよ“空飛ぶクルマ”の時代がやってきそうだが、中国はともかく日本やタイやでは法規上の課題も多く、そう簡…

2024 バンコク国際モーターショーレポート GAC/AION編

 テスラを意識? 広州汽車(GAC、AION) 広州汽車は、中国語で新能源車(BEV、FCV、PHVなどの新エネルギー車)に対し、AIONのブランドで展開している。今回のショーには、コンセプトカーとしてハイパーHTを出展していた。やや高めの全高を持つ独特のモデルで、フロントドアは通常のヒンジ式のドアだが、リヤドアはガルウイング式が採用されている。これはパクリとまではいえないにしても、テスラのモデルXを意識したモデルであるのは間違いないだろう。ハイパーHTは、コンセプトモデルながら…

2024 バンコク国際モーターショーレポート Changan編

 独特なキャラをもつモデルが多いChangan(長安汽車) Changanというブランド名で、BEVを展開するのが長安汽車だ。コンパクトで可愛いBEVのルーミンの展示が注目された。全長3200㎜という日本の軽自動車よりも短く全長と5ナンバー車並みの1700㎜の全幅を持つ。フロントにモーターを搭載し、電池容量は3種類の設定があって航続距離が155㎞から300㎞程度まで用意されている。バンコク市内では、富裕層の一家の2台目、3台目のクルマとして娘用にコンパクトなクルマを買うという需要…

2024 バンコク国際モーターショーレポート NETA編

 中国のしたたかさを感じさせるメーカー「NETA」 タイの自動車市場で急速に存在感を高めているのがBEV専業の自動車メーカーであるNETAだ。昨年のバンコク国際モーターショーで初出展したときには小さなブースを展開するだけだったが、今回のショーでは日産、マツダ、スズキ、いすゞなどに匹敵するくらいのスペースを確保していた。NETAが存在感を高めているのは、タイのBEV市場で良く売れているためだ。2023年の販売実績は、車種ではNETAのVがBYDのATTO3に次いで2位、タイの自動車…

2024 バンコク国際モーターショーレポート GWN編

 存在感を高めてきたGWM(長城汽車) 10年ほど前までは、日本車をコピーしたような外観デザインのクルマを販売することで話題になっていた長城汽車もGWMブランドで海外に進出するようになった。HVやPHV、BEVなどのさまざまな電動化車両をラインナップするようになり、徐々に存在感を高めてきている。長城汽車は2021年に、タイ市場から撤退したGMの工場を買収していて、比較的早くからタイでの生産・販売に取り組んできたメーカーでもある。販売網についても元GMのディーラーをリクルートするな…

2024 バンコク国際モーターショーレポート MG編

 中国メーカーで、最も早くタイへ参入しているMG(上海汽車) 中国の自動車メーカーの中で、最も早くからタイ市場に取り組んできたのが上海汽車のMGだ。ガソリン車の時代からタイ市場に参入し、今年で10年という歴史を持つ。最初のうちは鳴かず飛ばずの状態が続いていたが、ここに来てタイ政府の電動化政策に対応してBEVに注力するようになった。ハッチバックタイプのSUVモデルMG4を主力としている。今回のバンコク国際モーターショーでもステージ上に置かれていたのは2台のMG4だった。それとともに…

2024 バンコク国際モーターショーレポート概要& BYD編

 日本勢危うし!? 中国車へシフトしたバンコク国際モーターショー バンコク郊外のインパクトチャレンジャーで開催された第45回バンコク国際モーターショーを取材した。新型コロナウィルス禍で渡航が難しかった時期を除き、かれこれ30年くらい前からバンコク国際モーターショーの取材を続けてきたが、今回のショーは大きく様変わりしていて驚かされた。バンコク国際モーターショーは、東南アジア最大のモーターショーであると同時に、日系自動車メーカー各社が圧倒的な存在感を示すショーでもあった。日本の自動車…