商用車で独自の存在感を発揮するいすゞ
タイ市場に早くから進出し、三菱商事と組んで全国津々浦々にディーラー網を築いてきたのがいすゞだ。
これにより、1t級のピックアップトラックはもちろん、2t級の小型トラック、さらには大型トラックでも高いシェアを確保している。いすゞは日本では乗用車系のモデルを生産しなくなって久しいか、タイではピックアップトラックのシャシーをベースにしたSUVモデルの開発・生産を続けるなど、独自の存在感を発揮している。タイでは商用車に関してトヨタの上を行くのがいすゞである。
トラックもEV化時代?
いすゞは、今回のバンコク国際モーターショーにピックアップトラックD-MAX EVを展示していた。ワールドプレミアとしての展示である。ただ、タイ政府の電動化政策に対応したものかというと、必ずしもそうではなく、世界的に見て最も強力に電動化政策を進めるノルウェーで2025年に販売を開始する予定のモデルなのだ。
ノルウェーを始めとする欧州から販売を始めるモデルで直ちにタイで販売する計画はないとはいえ、このクルマによってピックアップトラックの電動化が実現されるのは確か。タイ市場でもピックアップトラックのBEVが求められるようになれば、すぐにでも対応できることを示している。近い将来にはタイだけでなくオセアニアなどでの販売も想定しているという。
リチウムイオン電池の搭載量は66.9kWhで、前後にモーターを搭載する2モーターのフルタイム4WDで、130kW(前40kW、後90kW)の動力性能を持つという。
いすゞのブースの脇には、2tトラックのエルフのBEVも展示されていた。いすゞがバンコク国際モーターショーでエルフを展示するのは恐らく初のことで、それもBEVというのはちょっとした驚きだった。
タイ政府の電動化推進政策が、バスやタクシー、乗用車やピックアップトラックに次いで、小型トラックに波及してきても対応できることを示していた。
いすゞD-MAX
いすゞ エルフ