やや腰が引けている? ホンダのEV
バンコク国際モーターショーのホンダは、トヨタなどと並んでかなり広いスペースを確保していた。これは、4輪車と2輪車を一体にした展示とされていたためでもある。ホンダがステージ上に展示していたのはe:N1と呼ぶSUVタイプのBEVだ。乗用車のBEVを出展したという意味では、日系自動車メーカーとして積極的な対応と言えなくもないが、実際のところ、中身はそうほめられたものではない。
このモデル、すでに中国で東風本田と広州本田を通じて2022年から販売しているe:NS1/e:NP1と基本プラットフォームや主要コンポーネンツを共通するクルマであり、そもそもホンダが独自開発したクルマではない。タイ政府の電動化推進政策に合わせて急遽現地生産の実績を積むために公開・販売されることになったのだ。
タイで生産するとはいえ、販売は個人向けには行わず、フリート販売でレンタカー用に売るだけという。住友三井オートリース&サービスやタイオリックスリースなど、現地の日系大手レンタカー会社に販売し、レンタカーとして貸し出すだけになるようだ。
BEVには電池の劣化とそれによるリセールバリューの低下という問題があるため、手の内に置けるようにレンタカーとして販売するのにとどめるようだ。中国メーカーなどに比べると、やや腰の引けた対応といえるのかも知れない。
ホンダe:N1
ホンダ シビックタイプR
ホンダのブースには電動化の時代に逆行するシビックタイプRも展示されていた。その値段を見てびっくり、399万バーツとされていた。完成車として輸入されることによる関税や低公害車でないための高い物品税などが加わるにしても1600万円を超える価格設定は驚きである。