もっと詳しく

ホンダ ヴェゼル ハントパッケージ

 

失敗は許されない!? 守りのマイナーチェンジか?

 

ホンダは、コンパクトSUVのヴェゼルをマイナーチェンジし発売を開始した。

ホンダ ヴェゼルは、国内ホンダの営業面で非常に重要な車種。2023年の登録車販売台数ランキングで、ヴェゼルは約5.9万台を販売し14位となった。残念ながら、ベスト10内には入れなかったものの、フリードに続き2番目に売れているモデルなのだ。

また、ホンダで1番売れているのはフリードで、なんとか10位にランクイン。本来なら、ベスト10上位にいなければならないフィットは不調から脱せず15位。ライバル車である日産ノートは4位に入っていて、販売台数面では大きな差を付けられている。

それだけに、ヴェゼルの販売台数が減るようなことがあれば、国内ホンダ営業にとっては、大きな痛手となる。そんなこともあるのか、チャレンジは避けた守りのマイナーチェンジになった印象が強い。全般的に、メカニズム部分では洗練さを増している。また、グレード面では新グレードを設定し顧客の選択肢を増やしている。

ホンダ ヴェゼル PLAY

ホンダ ヴェゼル ハント

 

高評価だった? 内外装は微小な変更

 

外観デザインは、クラスを超えた存在感あるエクステリアを目指し、フロントグリル、フロントバンパーの形状を変更。また、リアコンビネーションランプをオールLED化するとともに水平基調の2段のグラフィックに統一。フロントからボディ横、リアまで360°水平基調のキャラクターラインを際立たせている。よりクリーンでスッキリとしたスタイリングになった。

インテリアデザインの変更点は、前席のセンターコンソールを左右対称に変更。運転席、助手席双方が同じように使え、上段も下段も両席からアクセスしやすい形状とした。実用性が向上しているものの、とても小さい変更になった。

一般的に、マイナーチェンジでデザイン面が大きな変更された場合、マーケットで不評だったことが多い。今回のマイナーチェンジは、内外装の変更が少ないので概ねマーケットで好評だったと想像できる。

ホンダ ヴェゼル PLAY

 

 

アウトドア派も納得の新パッケージ「e:HEV X HuNT(ハント)」

 

その一方で、グレード設定では、大きな変更が加えられた。「e:HEV X HuNT(ハント)パッケージ」と「e:HEV Z PLaYパッケージ」が新設定されている。「e:HEV Z PLaYパッケージ」は、従来のe:HEV PLaYの延長線上にあるパッケージなので、実質新設定されたのは「e:HEV X HuNTパッケージ」ということになる。

「e:HEV X HuNTパッケージ」は、エクステリアにルーフレールを装備。専用アルミホイールやカッパー・メタリック塗装のフォグライトガーニッシュなどを専用装備とした。

インテリアは、プライムスムース×ファブリックにカーキ&ネイビーの専用カラーのコンビシートとし、ファブリックの素材には撥水・撥油機能のあるFABTECT(ファブテクト)を採用している。

ヴェゼルは、都会派コンパクトSUV。しかし、「e:HEV X HuNTパッケージ」は、いわゆるアウトドアテイストを強めたパッケージだ。最近のSUVマーケットでは、都会派SUVであってもアウトドアテイストを高めたグレードを追加している車種が増えている。アウトドアテイストのSUV人気が高くなっていることが大きな要因だ。「e:HEV X HuNTパッケージ」もこうした顧客ニーズに対応した新パッケージといえる。

マイナーチェンジ前の人気グレードe:HEV PLaYは、「e:HEV Z PLaYパッケージ」となった。変更点は、フロントグリルに配置したトリコロールのアクセントの配色、ドアロアーガーニッシュはアクセントを効かせたブルーとした。

「e:HEV Z PLaYパッケージ」の内装は、従来のe:HEV PLaYで好評のグレージュの色味を継承しながら、ピンストライプ/ステッチにライトブルーを効かせ、都会的で先進感のある爽やかなコーディネートとした。また、マイナーチェンジ前モデルはFF(前輪駆動)のみの設定だったが4WDも選択できるようになった。

ホンダは2030年に、 四輪車のグローバル販売台数で 3分の2 を電動化することを目標としている。だが、ヴェゼルには純ガソリン車が1グレード設定された。営業面で、背に腹は代えられないといったところだろうか。このガソリン車のグレード「G」は、4WDのみの設定となっている。

ホンダ ヴェゼル ハント
ヴェゼルe:HEV Z PLaYパッケージ
ホンダ ヴェゼル ハント
ヴェゼルe:HEV Z PLaYパッケージ
ホンダ ヴェゼル PLAY
ヴェゼルe:HEV Z PLaYパッケージ
ホンダ ヴェゼル PLAY
ヴェゼルe:HEV Z PLaYパッケージ

 

 

より快適性を高めた走行性能

 

ヴェゼルのマイナーチェンジでは、シャシー周りの改良が行われ、より上質さで快適な走りを実現した。e:HEVモデルでは、ダッシュボード、ルーフ、フロアの各遮音材と防音材の厚み、配置を最適化。エンジン始動音やロードノイズを低減させ静粛性を高めた。

また、e:HEVモデルのFF車は、ダンパー減衰力をより緻密に見直した。その結果、フラットで無駄のない動きを実現し、快適な乗り心地となった。

e:HEVのシステムは、制御を変更するなどし、より快適で気持ちの良い走りを目指した。低速域でアクセルを踏み込んだ瞬間から、EV感のある力強くスムーズな走り出しと、気持ち良く伸びる加速感を提供。また、エネルギーマネージメント制御を見直しエンジン始動回数、停止頻度を大幅に低減。アクセルレスポンスも向上させている。

ガソリン車は、1.5L DOHC i-VTECエンジンを採用。低速域から高速域まで力強いパフォーマンスを発揮する。

ホンダの4WDである「リアルタイムAWD」は、全タイプに設定された。滑りやすい路面で、トラクションコントロールのブレーキ介入タイミングを見直すことで、より安心感のある発進・加速を追求した。

ホンダ ヴェゼル リヤシート

ホンダ ヴェゼル 荷室

 

ホンダセンシングは新機能を追加

 

そして、重要な先進安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」は、より機能を充実させている。従来の機能に加え、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、急アクセル抑制機能、アダプティブドライビングビームの機能を追加している。

ホンダセンシングの機能は以下の通り。

1) 衝突軽減ブレーキ<CMBS>
2) 誤発進抑制機能
3) 後方誤発進抑制機能
4) 近距離衝突軽減ブレーキ
5) 歩行者事故低減ステアリング
6) 路外逸脱抑制機能
7) 渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール<ACC>
8) 車線維持支援システム<LKAS>
9) トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
10) 先行車発進お知らせ機能
11) 標識認識機能
12) オートハイビーム
13) パーキングセンサーシステム
14) 急アクセル抑制機能
15) アダプティブドライビングビーム *
16) ブラインドスポットインフォメーション *
17) 後退出庫サポート *

*タイプ別設定

ホンダ ヴェゼル ライト

ホンダ ヴェゼル リヤコンビネーションランプ

 

 

新型ホンダ ヴェゼルのグレード選び。お勧めは?

 

ホンダ ヴェゼルのグレード体系は、シンプルだ。ガソリン車を除くと、ベーシック装備のe:HEV Xか、充実装備のe:HEV Zか、まずはどちらかを選ぶことになる。そのうえで、アウトドア志向ならHuNTパッケージ。都会派で上質感重視ならPLaYパッケージを選択すればよい。

ただ、悩ましいのはHuNTパッケージ。安全運転支援機能であるアダプティブドライビングビームやブラインドスポットインフォメーション、快適装備のステアリングヒーター、パノラマルーフ、18インチアルミホイールなど、いずれかの装備が欲しくてもオプションで装着することができない。魅力的なHuNTパッケージが欲しいのだが、もっと充実した装備が欲しいと思っても選択肢することができないのは、やや残念なところだ。

こうなると、マイナーチェンジ前から人気グレードだったPLaYパッケージがお勧めとなる。PLaYパッケージは、リセールバリューも高めだったので、短期の乗り換えでもメリットがあるだろう。

マイナーチェンジ前、ホンダ ヴェゼル試乗動画

ホンダ ヴェゼル VS トヨタ ヤリスクロス徹底比較評価

トヨタ カローラクロス VS ホンダ ヴェゼル徹底比較評価

ホンダ ヴェゼル新車情報・試乗評価一覧

SUVを買ってはいけない場合とは?

 

 

新型トヨタ ヴェゼル価格

・e:HEV X FF 2,888,600円/4WD 3,108,600円

・e:HEV X HuNTパッケージ FF 2,998,600円/4WD 3,218,600円

・e:HEV Z FF 3,198,800円/4WD 3,418,800円

・e:HEV Z PLaYパッケージ FF 3,556,300円/4WD 3,776,300円

・G 4WD 2,648,800円

 

ホンダ ヴェゼル燃費、ボディサイズなどスペック

代表グレード  ホンダ ヴェゼル e:HEV Z  PLaYパッケージ(4WD)

ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)  4,340×1,790×1,590

ホイールベース[mm] 2,610

トレッド前:後[mm] 1,535:1,540

最低地上高[mm] 180

サスペンション 前:マクファーソン式 後: ド・ディオン式

車両重量[kg] 1,450

総排気量[cc] 1,496

エンジン型式 LEC-H5

エンジン種類 直4 DOHC16バルブ

エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 106(78)/6,000-6,400

エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 13.0(127)/4,500-5,000

フロントモーター最高出力[ps(kw)] 131(96)/4,000-8,000

フロントモーター最大トルク[kg-m(N・m)] 253(25.8)/0-3,500

WLTCモード燃費[㎞/L] 21.3

ミッション 電気式無段変速機

最小回転半径[m] 5.5 m

タイヤサイズ 225/50R18