もっと詳しく

鳥獣保護法ですが賛否あるようです。

今回はそんな声を調査しました。

鳥獣保護法が「おかしい」「いらない」との声はなぜ?

鳥獣保護法ですが、ネット上では「おかしい」「いらない」といった声が相次いでいるようです。

そこで、鳥獣保護法に関するネガティブな声を紹介します。

狩猟が認められているのに飼育はダメ?

キジバトは狩猟が認められているのに飼育してはいけないのはどうしてですか? 矛盾を感じます。殺していいくらいなら飼っても問題ないことのように思うのですが…。 むしろ殺すよりいいのではないでしょうか? 皆様、どう思いますか?

(引用:Yahoo!知恵袋)

狩猟は良くて飼育がだめなことに疑問を抱いているようです。

野生鳥獣を好きに捕獲して飼育することは、制限をしないと飼育して可愛がる目的だけでなく、悪意を抱いて捕獲する人間がいる可能性があります。

鳥獣保護法では、野生鳥獣を捕獲したり飼ったりすることは原則禁止されています。

鳥獣保護法は罰則規定が定められている厳しい法律ですが、全国では違法な捕獲や飼養の摘発が後を絶ちません。

野鳥は野鳥のままで、野外で楽しむことが基本です。

また、野生鳥獣を違法捕獲すると、鳥獣保護管理法第83条により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となります。

そして、野生鳥獣を違法飼養すると、鳥獣保護管理法第84条により、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金の対象となりますので、注意して下さい。

野生鳥獣は原則として捕獲することはできませんが、例外的に事前に免許や許可などにより捕獲が許される場合があります。

趣味で狩猟鳥獣を捕獲する「狩猟保護」は狩猟免許証と県への狩猟登録が必要です。

捕獲は狩猟期間内(11月中旬~翌2月中旬)に限られます。

スズメはだめでもカメはOK?

鳥獣保護法っておかしくないですか? スズメは殺しちゃいけなくてカメならOK。

(引用:Yahoo!知恵袋)

鳥獣保護法は、野生の哺乳類や鳥類の保護・飼養の規制や、環境の保護、個体数の調整、狩猟に関する制度などを定めた法律であり、許可を持っていない人が鳥獣を殺傷したり、傷つけることは禁止されています。

スズメも野生の鳥類なので、これに当たります。

このように、ネット上には鳥獣保護法に関するさまざまな声が寄せられていました。

鳥獣保護法は、生物多様性の確保、生活環境の恩恵を受ける国民生活の確保及び地域社会の発展も目的としている法律ですが、全国民の賛成を得るのは難しいでしょう。

鳥獣保護法はなぜ改正された?

2014年5月、「鳥獣保護管理法」が成立しました。

これは「鳥獣保護法」の改正により成立した法律であり、野生鳥獣の法的な「管理」という側面が、従来の目的よりも強調される形になったものです。

この「管理」が意味するのは、農林水産業に被害を及ぼしている野生鳥獣の個体数や生息域を「適正な水準」に減少または縮小させることです。

鳥獣保護管理法の正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」であり、鳥獣保護管理法へ改正されたことにより、人間と鳥獣との関わり方も「保護」から「管理」へと変化していきます。

鳥獣保護管理法の目的は、鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するとともに、猟具の使用に関わる危険を予防することにより、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化を図ることにあります。

また、生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及びに地域社会の健全な発展に質することを目的としています。

しかし、近年ではシカやイノシシなどの一部の鳥獣の急増によって各地で深刻な被害が起き始めました。

さらに高齢化による狩猟者の減少によって、鳥獣捕獲の担い手の確保が難しい状態です。

そこで政府は、深刻な鳥獣問題を打破することを目的として、鳥獣保護管理法に「鳥獣の保護」「狩猟の適正化」だけでなく、「鳥獣の管理」を加えたのです。

そもそも鳥獣保護法(鳥獣保護管理法)とは

鳥獣保護法とは、日本国内における鳥獣の保護および管理と狩猟の適正化を図る目的の法律であり、正式名称は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」です。

「鳥獣保護及狩猟二関スル法律」を全面改廃する形で、本法は平成14年7月12日に公布されました。

その後、2006年の第一次改正を経て、2014年の第二次改正によって現在の「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に名称変更となりました。

本法で対象となる鳥獣とは、野生の鳥類と哺乳類です。

以前は哺乳類のうち狩猟の対象となる大型のものしか対象ではありませんでしたが、2002年の新法によってネズミ類、モグラ類などの小型の哺乳類及び海生哺乳類が対象となりました。

鳥獣保護法ができた経緯

鳥獣保護法は、日本に生息する700種類以上の哺乳類・鳥類について、その保護と狩猟の適正化について定めた法律です。

その歴史は1896年に成立した「狩猟法」は、狩猟に際しての安全の確保や秩序の維持などを目的とした、「狩猟の管理規則」を定めた法律に始まります。

この法律では大正時代から昭和にかけての法改正を経るなかで、狩猟の対象としてよい「狩猟鳥獣」と一般獣とが分けて定められ、徐々に鳥獣保護の意味合いを持つようになってきました。

1963年の法改正では、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に名称を変更。

鳥獣保護事業の実施や、暮らしや農林水産業、また生態系に鳥獣が及ぼす被害の防止、さらに狩獣の際の危険を予防する規定などを定める法律として、一般に「鳥獣保護法」と呼ばれるようになりました。

1971年には、この法律を管轄する省庁を、林野庁から新設された環境庁に移管。

以後、日本の野生動物に関する重要な法律の1つとして、運用されることとなったのでした。

この法律について概要をまとめます。

項目 詳細
法律名 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律
通称・略称 鳥獣保護管理法、鳥獣保護法、狩猟法
法令番号 平成14年法律第88号
成立日 2002年7月5日
施行日 2003年4月16日
主務官庁 環境省自然環境局野生生物課、農林水産省農村振興局
目的 野生鳥獣の保護と管理、狩猟の適正化を通じて生態系の維持と持続可能な利用の確保
主な内容
  • 狩猟鳥獣と非狩猟鳥獣の分類
  • 狩猟期間の設定と規制
  • 鳥獣保護区の設置と管理
  • 鳥獣の生息環境の保全措置
  • 鳥獣の捕獲等の規制
  • 罰則規定の設置
改正履歴 2006年、2014年など数回の改正が行われている
関連法令 自然環境保全法、種の保存法、動物愛護法、鳥獣害特措法など
公式サイト 環境省公式ページ