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 「検察に指摘された以上、すべてを清算するしかないのに、おカネを払ってくれないんです」

写真提供: 現代ビジネス

そう言って都内のコンサル会社A社の関係者が名前を挙げたのは日本を代表するバンド「Mr.Children」のマネジメント会社だった――。  現在、Mr.Children(ミスチル)のマネジメント会社「エンジン」とA社の間で総額50億円を超える金銭トラブルが勃発している。7月から全国アリーナツアーを控えたミスチルの周辺に何が起こっているのか。その実態を明らかにする。  CDの総売上枚数は6000万枚以上。ツアーを行えば100万人規模の動員数を誇る、桜井和寿(54)率いるミスチル。そんなモンスターバンドのマネジメントを担っているのが株式会社エンジンだ。  「エンジンの代表を務めるのは谷口和弘氏(47)です。出身は三重県。大阪の専門学校を卒業し、音楽の仕事に携わりたいと100万円を握りしめて上京。ライブ設営のアルバイトから業界入りしています。ボーカルの桜井さんとは幼少期からやっていたというサッカーを通じて意気投合。その後、ミスチルのレコーディングに手伝いとして参加したことをきっかけにマネージャーになっています。  ’14年にミスチルとともに古巣のマネジメント会社から独立し、『エンジン』を設立。以降は社長としてミスチルの活動を下支えしています。メンバーにとっても谷口氏は心を許せる数少ない存在です」(レコード会社社員)  まさにミスチルの腹心とも呼べる谷口氏。だが、そんな信頼関係とは裏腹に谷口氏がメンバーに知らせずに行っていたのがA社との多額の金銭取引だった。そのスタートは6年ほど前まで遡る。

不適切な融資

「都内の経営コンサル会社『A社』の社長・園田裕也(仮名・40代)と谷口氏が共通の知人を通じて知り合ったのは’16年頃で、当時はビジネスというよりはたまに食事をする程度の関係でした。  園田は元大手証券会社に勤めていた経歴があり、会社運営に関するノウハウには長けていた。経営に悩む谷口氏から相談を受ける機会も増え、徐々に仲を深めていきました」(A社関係者)  一方で業績に陰りを見せるようになっていたのがA社のほうだった。以前から行っていた投資業での不調が続き、次第に資金繰りに苦慮するようになっていく。そこで’18年、園田氏は付き合いのあった複数の会社に融資を持ち掛けた。  「その中の一つがエンジンでした。園田は谷口氏に対して『カネを貸してほしい』とお願いしています。もちろんタダとは言わず利息も支払う約束です。当初は投資したカネが戻ってくるまでの穴埋めのつもりでした」(A社関係者)  ただ、この申し出はエンジンにとっても決して悪い話ではなかったという。  「谷口氏も桜井さんらミスチルメンバーたちの年齢を考慮し、将来的な視点からマネジメント業に限界を感じていた。そのため、他にも別のビジネスを手を広げたいと模索しており、元手の資金を必要としていていた。彼も『利息を払ってくれるのであれば』と快諾してくれたと聞いています」(A社関係者)  だが、そこで密約されたのは単なる貸付ではなかった。両者が結んだのは法定金利とは別の利息を用意する闇融資だったという。捜査関係者はその実態をこう明かす。

年利にすれば100%以上

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 「契約としては貸したカネに対しての利息として3%~10%を上乗せしています。これはいずれも法律で定められた金利内の数字です。問題なのは架空のコンサル契約や会社の買い戻し、そして現金手渡しなどによる、表面金利とは別で用意した闇の金利です」  そのスキームは主に3つ。1つは架空の業務委託契約による支払いだ。その手口をA社関係者はこう説明する。  「初めての貸付として’18年11月、エンジンからA社に対して1億円が振り込まれました。表面金利は3%。翌月には借りた1億円とそれに伴う利息額、また返済が約束より少し遅れてしまったことによる遅延損害金も合わせたすべての金額を返済しています」(A社関係者)  無事に完済と思いきや、1億円に対する利息はこれだけでは終わらなかったという。  「実は‘19年1月に谷口氏が持つアーティストのグッズ会社『Sanko Advance』(サンコー)と園田の持つ別会社がコンサル契約を結び、A社がサンコーに業務委託費を渡す形で約1000万円を支払っています。ただサンコーは経営実体もなく、コンサル契約も利息を払う為の架空のもの。つまり表に出せない金利を払う為に嘘の契約をしていたんです。年利にすれば100%を超える利子です」(A社関係者)  利息制限法で定められた上限金利は15%~20%。それに比べるとA社が支払った金額がいかに異常な数字かがわかる。だが、両氏の悪だくみはこれだけでは終わらない。

 つづく中編記事『「一人でも多くの人に足を運んでほしい」…ミスチル桜井の思いを裏切った、所属事務所「50億円巨額金銭トラブル」の全貌』では関係者が語るエンジンとA社による不適切な関係とそのスキーム、そしてミスチルメンバーにも明かせなかったワケについて詳しく報じる。

週刊現代(講談社)

引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/361394e3170c9e4d02c458ba924394577a80473d?page=2



みんなのコメント

  • 読んでると被害者ぶってる方が悪い気がしたけど違うのかな?金の貸し借りで知らない間に違法な契約を結ばされていたなら問題あるけど、わかったうえで違法な契約した人が被害者面してほしくない。
  • 少し前に記事になった中条きよしのケースと同じで 借金して返せなくなったやつが、法令違反の高金利だとか なんくせをつけてごまかそうとしているようにみえる 銀行など金融機関から借りられないやつに融資するのは危険
  • 3人の人物が出てくるわけだが、問題は貸付金利ではなく、架空の売り上げで粉飾したというところ。誰が騙されたと言うよりも3人が共謀したわけだが、誰が主導したかで罪の擦り付け合いが起こってる。
  • 「相手は実名、自分は仮名A社」の訴えをニュースにしている形では、建前はどうか知らないけれど、A社の言い分に乗っかって相手をターゲットにしてその狙いは「ミスチル「関連」の黒い話題を書いてやったぜ」感かな
  • 読んでも仕組みがよくわかりませんが、桜井さんが純粋で儲けに無頓着で1人でも多くのファンにコンサートに来てほしいと思ってると書いてあって、涙が出ました。 そんな桜井さんのことを裏切る行為を、田原さんもジェンもナカケーさんも許さないと思う。そんなふうに4人を惑わせ困らせ悲しませることをするのはファンが絶対許さない。
  • 形は違えど大好きな音楽活動を精力的にこなし、信頼する人に経営を任せる裏で、本人達の知らない巨額の金銭トラブル… 水原一平氏のそれに通じる部分ありますね。世代的にミスチルは1番大好きなバンド、何か切ないです。本人達の活動に影響が出ないことを願っています。
  • 記事全編を読んだけど、思った以上に込み入ったカネのやり取りをしていて、裁判とかで経緯を徹底的に明らかにしないと&専門知識がないと、トラブルの評価はできなそうだった 桜井さんは事務所の顔で、事件の渦中にいる社長と近い間柄にいるとはいえ、事件そのものとは全く関係ないのにこうして名前を出されるのは、不当ではないにしても、気の毒に感じた

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