アレン・ウー、RISC-Vに挑む。
アーム・チャイナの最高経営責任者だったアレン・ウー氏が、RISC-V命令セット・アーキテクチャに基づくチップを開発する新会社を設立したと報じられている。
この会社(Zhongzhi Chip (Shanghai) Technology Co.)は、もちろんArmとArm Chinaの両社に何らかの形で挑戦することになるだろう。
一方、噂によると、同社は中国におけるTenstorrentの「代理店」になる可能性があるという。
Zhongzhiチップの詳細は不明だが、名前にチップという言葉が入っていることから、マイクロコントローラーユニットではなく、RISC-VプロセッサIPとコンピューティングプラットフォームソリューションを設計する企業であることが推測される。
実際、この情報は著名な市場トラッカーであるTrendForceが Chip_Insideのレポートを引用して公表したものであるため、詳細は不正確である可能性があり、大目に見ていただきたい。
物議を醸しているアレン・ウーのリーダーシップの下、中智チップはArmの元従業員を含む注目すべき人材を集めていると伝えられており、この新会社がチップ分野で真剣な野心を抱いていることを示している。
一方、同社の採用戦略では、トップクラスの専門知識を確保するというコミットメントが強調されているが、同社の業務上の焦点は部分的に不明確なままであり、主に独自の研究開発イニシアチブに従事するのか、それともTenstorrentの代理店として中国で活動するのか、憶測が飛び交っている。
RISC-V ISAをベースとしたHPC CPUやAIプロセッサを開発するテンストレントは、アレン・ウーの役割は不明だが、手ごわいパートナーになるかもしれない。
Tenstorrentのロードマップが新製品を追加するのに十分な柔軟性を持っていると思われることを考えると、中智チップの仕事は、顧客を引き付け、彼らの要求を理解し、Tenstorrentのテクノロジーを使って彼らのニーズを満たすことであるとも考えられる。
このため、中智チップは実質的にチップ設計請負業者、あるいはカスタムチップ開発業者となる。
情報筋の報告によると、中智チップはコネクションを活用し、他の世界的な大手RISC-Vチップ開発企業数社と提携を結んでいる。
技術的には、これらの提携は戦略的なものであり、同社の技術力を高め、業界での成長を加速させることを目的としている。
同レポートはさらに、同社が技術的に中立な立場を維持することで、プロセッサーIP市場の重要なプレーヤーとしての位置づけを確立しており、それが中国国内のアプリケーションの成長をサポートすると考えていると詳述している。
ソース:Tom’s Hardware – Firebrand ex-Arm China CEO founds RISC-V processor startup
解説:
ARMチャイナの元CEOがRISC-Vの会社を立ち上げたとのこと。
ARMは米中貿易戦争のあおりを食らって微妙な立場に立たされています。
売り上げの1/4はARMチャイナからですが、ファーウェイのようにARMから締め出される企業もあり、中国はRISC-Vへの投資を盛んにしています。
現在、中国経済はバブルがはじけてかなりピンチな状態ですから、今後どこまでRISC-Vを引っ張る存在になれるのか未知数ではありますが、RISC-Vをけん引する存在になっていることは事実です。
RISC-Vは今のところ、SSDのコントローラーなど主に組み込み機器に使われていて、一般のユーザーからはARMよりかなり露出が少ないです。
中国がガンガン投資して、ARMを脅かす存在になると面白いと思ったのですが、最近は中国のバブルが崩壊していい話を聞きません。
久しぶりに中国のRISC-V関連の話を聞いたので取り上げてみました。
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