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編集部注:

・特報、場面写真、出演者のコメントが解禁されました。(3月 16日)

 

特報

 

©野生児童

 

夫・良樹役:山岡竜弘さん:
演じました山元良樹は、妻の真希を支え、共にさまざまな局面を乗り越えたいと願いながらも、迷い、葛藤していく役どころです。

演じるにあたっては、良樹の選択に対して、自分の中では是非を問わず、あくまで良樹の”知らない”という目線を大切にしながら、あとは、本番に流れる相手役の方との空気に身をゆだねるように心がけました。

山元家が直面していく希望や挫折の数々は、さながら人生の縮図の様で、学ぶことも多かったのですが、その中に軽やかに差し込まれる有田監督の笑いのセンスや魅力的な登場人物たちの輝きも作品の見どころですので是非ご注目下さい。

劇場内で共有される温度の中でご鑑賞頂きたい作品です。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

 

助産師・清水香苗役:輝有子さん:
誰もが何かしら誰にもいえない不安や悩みを持っているとおもいます。それを理解しようとすることは時に人間関係において面倒なことかもしれません。

助産師清水は大事な出産をお手伝いするのは勿論、お母さんになる妊婦さんにそっと寄り添えたら…。何かを分かち合えたら…。知らないことを知ること、解らないことを解ろうとする時におせっかいな彼女を大切に演じさせて頂きました。
Don’t think. Feel!
有田監督が書い引用したこの言葉の意味をお客様にもお持ち帰り頂けたらと思います。

 

里美役:小原徳子さん:
私が演じた里美は、主人公・眞希の親友グループの中で唯一の母親であり、そういう意味では眞希の先輩となる立場でした。

しかし、情報を共有することは出来ても、眞希の身に起こることを私が解決することも、トラブルを回避することも出来ません。

私に出来たことは、自分がこういう時こんな風にされたら嬉しかった、ということを、経験してきた立場だからこそ想像して、手を差し伸べてあげるということです。

眞希にとってはそれが、時にはお節介に感じるかもしれないし、辛くなった時そのお節介が心を楽にしてくれるかもしれない。
「出生前診断」という、妊娠を経験する人しか聞き慣れない題材だからこそ、その中で葛藤する主人公を揺れ動かす気持ちや行動は、スクリーンの向こう側の方に共感してもらいやすいよう、なるべくシンプルであろうと里美を演じました。
映画の中には様々な親子が出てくるのですが、それぞれの親子から見える愛の形の違いにも注目していただけると嬉しいです。
結婚、出産を経験する方もそうで無い方も、是非スクリーンで体感して、大切な人と向き合うキッカケになったら嬉しいです。

 

桜役:瑞生桜子さん:
製作初期の頃、女性ばかり10人程が集まったオンラインミーティングで、妊娠出産について各々どう捉え考えているか?といった内容の討論会を何度か行った記憶があります。自分自身の口から溢れでた言葉に驚くこともあれば、自分とは異なる価値観や角度のお話に得心し影響を受けたり、自身の人生について深く考えるきっかけを与えてもらえた、大変有意義な時間でした。

結果として、みんなで語り合ったあの時間が、この作品の空気を形成する大きな要因になったのだろうなと、今振り返ると感じています。

監督主演プロデュース全てを担った有田さんの覚悟と、この作品にかける強い想いが、画面を通して、しっかりと伝わってくる映画に仕上がっていると思います。
是非公開を楽しみにしてくださると嬉しいです。

 

美紀役:小林春世さん:
私が演じた美紀は、仲良し4人組の中で「グローバルな視点を持った人」という役割だと思います。

私自身も何度か海外で生活した経験があるため、「日本では当たり前だと思われていることが、他の国では多分そんなに当たり前ではない」と感じることが、よくあります。

そのような自分の体験と照らし合わせて演じました。
この映画は、一部キャストがスタッフワークも行いながら撮影されました。彼女達の頑張りがなければ完成しなかったと言っても過言ではありません。

そんな彼女達が俳優として輝いている姿に、何よりご注目いただきたいです。是非、劇場に足をお運びください。

 

妹・武田渚役:辻凪子さん:
眞希の妹・渚としてあたたかい家族の一員になれたこと本当に幸せに思います。

渚は眞希の家族でもあり、たったひとりの妹だから、一番気を遣わずに話せる存在。

自分が悩んでいる時にいつも話を聞いてくれて、助けてくれたのは姉ちゃんだから。

姉ちゃんが苦しい時は、何がなんでも力になりたいと思って、その場に居ました。
私もこの映画をきっかけに出生前診断のこと、子が産まれることについて、初めて知ることが沢山ありました。

知れたから誰かの力になれるかもしれない。生きてりゃなんとかなるんだ。この映画に出逢えて良かったです。

 

ーーーーー 以降、3月 3日公開分

©野生児童

 

映画『渇愛の果て、』は、「家族・人間愛」をテーマにし、あて書きベースの脚本で舞台の公演を行なってきた「野生児童」主宰の有田あんさんが、友人の出生前診断の経験をきっかけに、助産師、産婦人科医、出生前診断を受けた方・受けなかった方、障がい児を持つ家族に取材をし、実話を基に制作した、群像劇。
シリアスな内容ながら、大阪出身の有田特有の軽快な会話劇を活かした作品で、有田が監督・脚本・主演を務め、長編映画監督デビュー作です。

助産師・看護師・障がい児の母との出会い、家族・友人の支えにより、山元家が少しずつ我が子と向き合う様子を繊細に描きつつ、子供に対する様々な立場の人の考えを描きます。

5月18日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開されることが決まり、ポスタービジュアル及び、監督・脚本・主演の有田あんさんと監修の洞下由記さん(産婦人科医)と取材協力の高杉絵理さん(助産師サロン)のコメントが解禁となりました。

 

監督・脚本・主演:有田あんさんのコメント

ー知らないことが多すぎるー
妊娠中の友人の相談を聞いた時に何度も感じた。
妊娠、出産。当然だが、今生きているのはお母さんが妊娠して出産してくれたから。
ということはどんな考えを持っていても関係ない人なんていない。
しかし、前のめりにならないと知る機会がない。私自身も、「いつか」と思っていた。
「こんな大事なこと、誰か取り上げてくれないかな」
悩みに悩んだ友人が私に言った。それがこの映画の第一歩となった。

妊娠・出産に不安はつきものだがその実態は本人しか分からない。
急に母親父親になり莫大な情報量に悩む。診察室で医師とどんな会話を交わすのか。
そもそも妊娠するまでにも沢山のドラマがある。やむを得ない事情で中絶する方もいる。
自分の両親はどんなことで悩んだのか、いつも見かけるあのご家族はどんな苦難を乗り越えたのか。
そんなことを考えられるきっかけがあったら、少しだけ優しい世界になるんじゃないか。
未来の選択肢が広がるんじゃないか。そう思い、このテーマに向き合うことを決めた。

私はこの映画制作をきっかけに妊活・不妊治療を始めた。
想像していた以上に「孤独」だった。初めての事への不安と情報量の多さにストレスも溜まる。
身体の変化を体感できない男性は、何を言葉にしていいか迷う時もある。
男女共に、周囲に話しづらかったり、理解してもらえないもどかしさも感じるだろう。
時には自分を責めてしまう時もある。
そんな方々に「どんな決断も間違っていない」と伝えたい。

この映画が大切な人と話すきっかけになったり、皆さんの未来の選択肢が増えると幸いです。

 

監修:洞下由記さん(産婦人科医)のコメント

本作の医療監修のお話しをいただいたとき、この簡単ではないテーマをどう描くのかと、過去の患者さん達の顔とともに様々な思いがよぎりました。
しかし、有田さんに会って、自分とその周りに起こった実体験を共有したいという想い、知るべきであるという信念を感じ、それは私が医療現場で思っていることと同じでした。

何事も受け入れるということは、簡単ではなく時間もかかります。
1人になりたくて、でも1人じゃなくてよかったと思えるまでにも時間がかかります。
本作にでてくる人達はみんな、正解のない課題を本気で自分ごととして考えてくれる人達。
人のことは誰にもわからないと言いながらも、ほんとうは何かを想像し、その中で自分ができることをやるしかないと、泣いて笑って逃げずにいてくれる。
もちろん当事者も、自分の中の正解を探し続けます。

私は産婦人科の臨床医として、今でも正しかったのかどうかわからないことはあり、これでよかったと思える時はいつか必ずくる、とは言い切れません。
でも、今、目の前で苦しんでいる患者さんのまわりに、この作品のように寄り添う人たちがいてくれたらと、心から願います。

強さも弱さも等身大で描かれているこの映画が、たくさんの方々に届きますように。

 

取材協力:高杉絵理さん(助産師サロン)のコメント

授かった命を目の前にして、産む・産まないの選択を迫られること、こんなに難しく、辛い選択はないように思います。
助産師として、こういう現実があることを多くの人に知って欲しいと思いました。
そして、それは苦しいことだけど、誰にでも起こりうる可能性があること、自分だったらその命とどう向き合うか考えて欲しい。

助産師は人生に寄り添う仕事です。
ひとりひとりに丁寧に寄り添い、その人が納得できる結論を出すことを時には1番近くで、そして、距離を保って見守っています。
どの選択にも正解はないと感じています。
私だったらどうするかな、と毎回考えます。
一緒に悩み、泣き。。想いを共有します。
私も助産師である前に1人の女性であり、そして母です。
この映画の主人公のように、悩んだ経験もあります。
産んで良かったのかな。
たくさんの人がいろんな想いを抱えて妊娠・出産し、そして育てています。
「知らない」ということで済ましてほしくない。
「知って」「向き合って欲しい」
これが私が伝えたかった想いです。
そして、出来上がった作品を観た時に、これまでの私の助産師人生や母としての体験が走馬灯のように巡って涙が止まらなくなりました。
寄り添ってきたこれまでのたくさんの生命の重さが込められていたからだと思います。
ぜひ、たくさんの人に知って欲しいです。
そして、心で感じて、考えて欲しいです。
ひとつの命と向き合うということを。

 

■ストーリー

山元眞希は、里美・桜・美紀の4人から成る高校以来の親友グループに、「将来は絶対に子供が欲しい!」と言い続け、“普通の幸せ”を夢見ていた。妊娠が発覚し、夫・良樹と共に順風満帆な妊婦生活を過ごしていた眞希だが、出産予定日が近づいていたある日、体調不良によって緊急入院をする。
子供の安否を確認するために出生前診断を受けるが、結果は陰性。
胸をなでおろした眞希であったが、いざ出産を迎えると、赤ちゃんは難病を患っていた。

我が子を受け入れる間もなく、次々へと医師から選択を求められ、疲弊していく眞希。
唯一、妹の渚にだけ本音を語っていたが、親友には打ち明けられず、良樹と子供のことで悩む日々。

そんな中、親友たちは眞希の出産パーティーを計画するが、それぞれの子供や出産に対する考えがぶつかり…

 

 

出演:有田あん 山岡竜弘
輝有子 小原徳子 瑞生桜子 小林春世 大山大 伊藤亜美瑠 二條正士 辻凪子
烏森まど 廣川千紘 伊島青 内田健介 藤原咲恵
大木亜希子 松本亮 関幸治 みょんふぁ オクイシュージ

監督・脚本・プロデュース:有田あん

監修医:洞下由記 取材協力:高杉絵理(助産師サロン)
撮影:鈴木雅也 谷口和寛 岡達也 編集:日暮謙
録音:小川直也 喜友名且志、西山秀明 照明:大﨑和 大塚勇人
音楽:多田羅幸宏(ブリキオーケストラ) 歌唱協力:奈緒美フランセス(野生児童)
振付:浅野康之(TOYMEN)
ヘアメイク:佐々木弥生 衣装監修:後原利基
助監督:藤原咲恵 深瀬みき 工藤渉 制作:廣川千紘 鈴木こころ 小田長君枝
字幕翻訳:田村麻衣子 配給協力:神原健太朗
宣伝美術・WEB:金子裕美 宣伝ヘアメイク:椙山さと美 スチール:松尾祥磨

配給:野生児童
2023/日本/97分/カラー/アメリカン・ビスタ/ステレオ
©野生児童

 

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