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 歴史的な円安が長期化し、母国に送金する外国人労働者の負担が増している。国によっては年金制度がなく、仕送りの目減りは親の死活問題になりかねない。円の価値下落を受けて送金額を上乗せする外国人も多く、「非常に大変」との嘆きも。雇用主は貴重な労働力の定着に向け、外国人が働きやすい職場環境の整備に力を入れる。

 2020年に来日したインドネシア人女性のアニサヌルファトナさん(24)は、介護資格を取得して5月から特別養護老人ホーム「百々山」(浜松市天竜区)で働く。同僚との関係は良好で、特に同国出身のイラヌルファリラアグシティナさん(27)、マルカナさん(27)とは互いに助け合う仲だ。「日本が好き。ずっと働きたい」と充実した日々を送る。  悩みは下落する円相場。来日当初に125ルピアだった1円の価値は、100ルピア程度まで落ちた。「インドネシアで子供の仕送りは当たり前。親への感謝はお金では払えない」と、月3万円の仕送りを4万~5万円に増やした。「円安は厳しい。私ももっと貯金したいのに」と本音も漏れる。

 施設を運営する天竜厚生会にとって、外国人労働者は大切な戦力。各国の文化や生活習慣への理解に努め、書類にひらがなを振り、介護記録は記入式ではなくタブレット端末で選択肢をクリックする簡単な仕組みを導入した。  信仰する宗教にも配慮し、勤務中のお祈りには仮眠室を開放する。住民登録やスマートフォンの契約など、私生活の支援も続ける。総務部の西勇司人事課長は「勉強熱心で仕事も積極的。気持ちよく働き、長く勤めてほしい」と語る。  徳三運輸倉庫掛川営業所(掛川市)のトラック運転手ハルヨバンバンさん(37)も、インドネシアの両親に仕送りを続ける。円安の負担は重く、送金額は3年前から2万円ほど増やして月5万~6万円。「親はもう定年退職し、年金もない。長男の自分が支えないと」と仕事にいそしむ。  今春に班長へと昇進した。会社の費用負担で新たにクレーン運転士の資格取得も目指している。「ここは外国人でも差別はない。大事なのは職場の環境」。円安の“逆風”は厳しいが、やりがいも感じながらハンドルを握る。

勤務中も仮眠室でお祈りする外国人従業員=7月上旬、浜松市天竜区

静岡新聞社

引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/1750c18b59f55fdadb61780ded4699d0341adbf3

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