NVIDIAのH20アクセラレータは価値が低いため、中国のAIスタートアップはGeForce RTX 4090 GPUを選んでいる

ハイエンドのデータセンター向けNVIDIA GPUが禁止されたため、中国のスタートアップ企業は、NVIDIAの代替品が費用対効果に優れていないとして、GeForce RTX 4090を使い始めている。

NVIDIAのH20アクセラレータは中国の大規模データセンターでのみ有効であり、国内のAIスタートアップは依然としてGeForce RTX 4090ゲーミングGPUをより良い価値として見出している。

AI需要は増加の一途をたどっているが、中国市場はNVIDIAのトップAIチップの供給禁止に苦しんでおり、多くの企業が代替品を求めている。

中国の多くの新興企業は、H20の代わりにNVIDIAのフラッグシップゲーミングGPUであるGeForce RTX 4090を選んでいると報告されている。

米国の対中制裁により、NVIDIAはA100やH100といったトップAI GPUの中国国内での販売を禁止されたため、複数の企業が代替品を探していた。

NVIDIAは2024年第2四半期に量産を開始したH20 AI GPUを提供したが、このGPUは中国市場を思ったほど魅了しなかった。

H20は、H100の1979 SXM TF16 FLOPSに対し、296 SXM TF16 FLOPSの理論性能を提供するH100の改良型だ。しかし、H20は性能が大幅に低下しているだけでなく、電力効率の面では何のメリットもありません。

RTX 4090とは異なり、H20は性能の割にはるかに高価です。

このため、多くの小規模企業がRTX 4090を利用し始めており、ゲーミンググラフィックスカードが地域で禁止されているにもかかわらず、利用可能性も高い。

禁止されているにもかかわらず、新興企業はニーズに合わせて複数のGeForce RTX 4090 GPUを簡単に手に入れることができる。

NVIDIAのGeForce RTX 4090Dでさえも、中国限定のモデルで、H20 AIアクセラレータよりも価値がある。

これらのGPUはまた、大規模な言語モデルを維持するために2倍のメモリを搭載している。

現在、NVIDIA H20アクセラレータは約130万人民元で、アリババ、テンセント、バイドゥ、バイトのような老舗企業が主な需要先となっている。

別の企業によると、RTX 4090は顧客の最初の選択肢であり、今月中にさらに100個のRTX 4090 GPUを導入する予定だという。

別の起業家によると、彼の会社は以前、クラウドサービスを通じてA100とH100をレンタルしていたが、ローカルマシンは依然としてV100とRTX 3090グラフィックカードを利用しているという。

米国政府が、A100/A800やHopper H100/H800といったNVIDIAの最高級AIチップの中国での販売を禁止してから約1年半が経過した。

これらのGPUの一部はいまだに闇市場を通じて入手されているが、入手性が悪く、価格も高いため、多くの企業、特に新興企業がシステム用にこれらのGPUを手に入れることはできない。

中国のAI企業がAI GPUの代わりにRTX 4090を使い始めたのは今回が初めてではないが、NVIDIA H20が今年初めまで市場に参入していなかったため、他に選択肢がなかった。NVIDIAやそのライバルから、より新しく優れたAI GPUが登場するまでは、ほとんどの新興企業は代わりにゲーミングGPUにこだわるだろう。

とはいえ、NVIDIAはH20アクセラレータから数十億ドルの総収益を上げると予想されている。

H20アクセラレータは、大規模なデータセンター顧客に数千単位で販売されるのに対し、小規模なAIスタートアップ企業は数百単位を超えることはほとんどないからだ。

ソース：wccftech – Chinese AI Startups Are Opting For GeForce RTX 4090 GPUs As NVIDIA’s H20 Accelerators Offer Poor Value

解説：

H20アクセラレーターはH100の中国向けモンキーモデルです。

価格帯性能比、電力対性能比が良くないので人気がないようです。

このため、多くのAIスタートアップやベンチャーはH20ではなく、RTX4090を使うことを好むようです。

スタートアップやベンチャーといっても調達数は数百に上りますので一気に市場からこれだけの製品が消えると品不足になるというメカニズムですね。

RTX4090を規制しても一般小売店を通じて闇市場から手に入れられます。

そのため、今の規制はあまり意味がない、ゲーマーが困るだけという形になってしまうようです。

H20は人気がないのですが、調達数が1000以上、万に達する企業にとっては直接オーダーして手に入るこれらの製品はとても有難いようですね。

いくら何でも数万ユニットをRTX4090で調達するのは難しいでしょう。