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7月の新紙幣発行により、券売機などの買い替えに迫られている経営者も多いだろうが、パチンコ店もその一つ。 「費用としては1億円くらいはかかるでしょうね」と語るのは、大手チェーンの営業統括部長のA氏。たしかに、各台で全てのお札が使える今のパチンコ店では、設置している遊技台数分の費用がかかることになる。はたして、今回の改刷によるホールの負担はどの程度なのか。そして、それによって出玉率に影響は出るのか? 今後の展望について聞いてみた。

一台20万円前後かかるケースも

 A氏が勤めているチェーン店は関東近郊で10店舗以上展開している大手。しかも、設置台数が多い大型店ばかりなので負担も相当なものだろう。はたして、今回の改刷でどのくらいの費用がかかるのだろうか? 「新札への対応は、いま使っているシステム次第なんですが、プログラムの書き換えだけなら一台7000円~8000円くらいかな。新しめの機械は、改刷も見越して作っているので対応できるんですが、10年以上前の機械だと、それができない。モノによっては紙幣識別機の交換だけで済む場合もありますが、機械を丸ごと入れ替えるとなると、メーカーやタイプ、購入台数にもよりますが、おおむね一台20万円前後になるんじゃないですかね」  A氏のお店ではプログラムの書き換えがメインとなるのだが、それでも台数が多いだけに決して安いものではない。また、交換が必要となる機械は台間サンドだけではないそうだ。 「グループ全体で、おそらく1億円前後にはなるでしょうね。ちなみに、町のスーパーなどでは今回の改刷のシステム更新に関して、全額ではないけど助成金が出ます。でも、パチンコ店は一切出ないから辛いんですよね。しかも、事務所で使う売上金を数える機械とかも変えないといけないし、この際だから新しくしちゃおうっていう設備も含めると、それくらいはいきますね」

前回の改刷時は札束を持って走った!?

 改刷といえば前回行われたのが20年前。当時の台間サンドは既にICカード化されており一万円札も投入可能だったわけだが、その時はどのような状況だったのだろうか? 「前回の改刷時は、たしか一年くらいかけて移行していったんです。だから、ゆっくりでいいやなんて考えていたんですが、いよいよ新札を持ってくるお客さんが増えてきたと思ったら工事を後回しにされちゃって。仕方ないので、常に旧札200万円くらいをポケットに入れて、人力で交換するためにホール中を走り回ってましたね(笑)」

閉店ラッシュが加速する可能性大!

 お客さんが使用する台間サンド以外に、ファンには見えない部分の交換などもあり、やはり必要となる費用は想像以上。それだけに、今回の改刷で閉店を余儀なくされるホールも出てくるだろうとA氏は予想する。 「ここ数年でホールが閉店しまくってますが、今回の改刷でさらに1000店舗くらい減っちゃうんじゃないですかね。実際、買い替えないといけないハズの古い機械を使っているのに、工事の予約を入れていないホールの話なんかも聞きますし。おそらく、そういうホールは、閉店させるか、良い中古が出るまで待っているかのいずれかでしょう。もしくは、旧札を貯め込んでホール内を走り回るつもりか(笑)」

改刷はホールにとって良いことナシ

 偽札防止の一環で行われる改刷。不特定多数のお客さんが来店し、大量のお札が集まるパチンコ店にとって必要不可欠なことかと思いきや、これといったメリットは感じられないとA氏は言う。 「当たり前の話ですが、新札が出たからといって稼働が上がるわけでもないし、はっきり言って迷惑なだけです(笑)。新しく購入する台間サンドとかも、お金だけかかって機能自体は何も変わらないじゃないですか。例えば、これを機に『電子マネー対応に変えます』とかならいいのですが……」  世の中的には電子マネー化が進んでいるだけに、将来的にはホールにも導入される日が来るのだろうか。 「いずれは電子マネー化もあるんじゃないですか。

でも、シマ中から『ペイペイ! ペイペイ!』って、聞こえてきたらちょっと嫌ですよね(笑)。まぁ、それは冗談として、既存のモノだと、ポイント還元があったり、後払いができちゃうので、導入するとしたら業界団体でホール専用のモノを新たに作ることになると思います」

7月以降の客の出玉率に影響は出る?

 膨大な費用が掛かるとなると、パチンコファンにとって最も気になるのが「改刷後の出玉率」。7月以降、その費用を回収するため、どこのホールも出玉が渋くなる、なんてことにはなってほしくないが……。 「ウチの場合の話ですが、これはもう設備投資の一環なので、費用は改装用の積立金から出ます。なので、7月以降の出玉率が急激に悪くなるなんてことはありません。さすがに前もって分かっていたことだし、よっぽどカツカツのホールじゃない限りは普段通りだと考えていいと思いますよ」

一難去ってまた一難……苦境はまだ続く

 スマスロの登場で人気回復の兆しが見え始め、パチンコ、パチスロ離れに歯止めが掛かるかと思いきや……。今回の改刷でさらに閉店ラッシュが加速しそうなパチンコ業界。  

しかも先日、景品の提供に関する新たなガイドラインの発表もあり、これによって再びホールの負担が増える可能性もある。まさに、泣きっ面に蜂。パチンコ業界の苦境は、まだしばらく続きそうだ。

取材・文/サ行桜井 【サ行桜井】 パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。

日刊SPA!

引用元 https://news.yahoo.co.jp/articles/e42956ca7847a67aec4e7eedafdd04cfbe8f7997?page=1



みんなのコメント

  • 10年位前までは、定年後の暇な高齢者が時間潰しでパチンコ屋に ちょくちょく出掛けていたが。。今のパチンコ台では時間潰しでは無く財産潰しになってしまうから。。行く人は極端に減った。 昔からパチンコ屋は日本人が経営している訳では無いと聞いていた。 今でも同じだろう。 ならば、閉店が増えても日本経済に影響は無い。 ギャンブル依存症で身を崩す人間が減るなら・・閉店ラッシュは歓迎である。
  • パチンコ店に限らずセルフレジ等、機械にて現金をやりとりする物は全て当てはまる。多分、補助金・助成金が出ると思うがそれでも費用を捻出出来ない事業者は元々、資金繰りが悪い。メーカーもユーザーが減っては元も子もないのでスマートフォンにてキャッシュレスでやり取りする端末等を出せば安くなるかもしれない。
  • 国が電子マネー推したいのはこういう側面もあるからですよね。現状造幣などに使われている資金を小売店の手数料軽減にあてるなどすれば電子マネー一本化も目指せるだろうか。しかし貨幣を新しくする理由の大半がニセ金対策であるように、電子マネーに一本化してもそれをなんとか不正に使おうとアクセスする輩との戦いが続くのは避けられないのだろうが
  • パソコン屋だけでわない、タバコを販売している、店タバコ自販機が置かれてる店。新貨幣切り替えで。1000円札が使えるようにするのには、20万円ほどかかり、タバコの自販機の数は極端に減り、タバコは、コンビニだけしか買えなくなる。国も何とか補助金を出して、個人商店を残してもらいたい。
  • パチ屋の閉店ラッシュってとても素晴らしい事ですね! トイレのタダ借り出来る所が減るのだけは残念ですが、駅前の1等地から雑音が減るのは素敵な事です。 朝から残念な人達が並んでる光景も先進国として恥ずかしいばかり。 どんどん減って、スマートボールみたいにあぁ昔こんなのあったね、みたいな存在になって欲しい。
  • 一時期は映像機器産業や電子機器産業の支えになっていた部分もありましたが、現状では無くなっても影響は極めて限定的な業界になってますから、この機会に厳格な法運用にして一掃しても良いと思いますよ。
  • 一億以上の負担をしてグループとして取り換えられず閉店するならまだマシな方かも知れない 取り換え終わった後はその負担分を大回収するために、パチンコユーザーから搾れるだけ搾り取るんだからたまったもんじゃ無い 結局悪循環で今年来年は更に閉店は加速すると思う
  • 閉店が増えても日本経済に影響は無い。なぜならば経営者は…(以下省略)

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