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  • AI技術を活用してデータセンターの廃熱を再利用
  • パリ・オリンピックの水泳施設を部分的に加熱
  • 地元自治体はCO2排出削減に期待

AI技術の発展とともに、その応用範囲は広がっています。
そんな中、特に注目されているのが、データセンターの廃熱を再利用する取り組みです。

アメリカのデータセンター企業Equinixは、パリ東郊にあるAI対応のデータセンターを通じて、2024年パリオリンピックのアクアティクスセンターの一部を加熱しています。
このセンターには、約250万リットルの水を保持するメインプールが設けられています。

Equinix Pa10データセンターは、高密度ラックが必要なAIタスク向けに特別に設計されています。
これらのラックは大量の熱を生成し、その熱を冷却する必要があります。
この過程で発生する余熱をオリンピックプールの加熱に利用することは、データセンターの効率的な活用法の一例です。

さらに、Equinixはパリ市から200万ユーロの投資を受け、Seine-Saint-Denisの住民に15年間無料でエネルギーを提供する計画もあります。
これにより、地域の年間CO2排出量を1,800トン削減できるとされています。
地元自治体もこの動きを歓迎しており、Mathieu Hanotin市長はデータセンターをエネルギー源として利用することで大量のCO2削減を実現できると述べています。

このように、循環型経済モデルの一環として廃熱を利用することは非常に有効です。
しかし、フランスのコンピュータサイエンス教授Anne-Laure Ligozatは冷静な視点を提供しています。
彼女は、既存のデータセンターの廃熱利用は理にかなっているものの、データセンター自体が土地、水、電力を大量に消費する点に注意を促しています。
単独でエネルギー生成をデータセンターに依存するのは非現実的であり、基本的な電力加熱システムの方が環境影響が少ないと指摘しています。

データセンターが今後も存続することを考えると、その廃熱を持続可能に利用することは貴重なリソースの活用法として価値があります。

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データセンターの廃熱でオリンピックのプールを加熱するって、
どんなメリットがあるんだ?
あとさ、この廃熱利用ってどれくらい効率的なのか知りたいんだけど。

データセンターの廃熱を使うことで、追加のエネルギー消費を抑えつつ、大量のCO2排出を削減できます。効率的かどうかは設計や利用方法によるけど、廃熱が有効に使われることは確かです。

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そうですね、ユータ君の質問に答えると、**データセンターの廃熱利用のメリット**は主に3つあります。

まず、**追加的なエネルギー消費の抑制**です。
データセンターから生じる大量の廃熱を他の用途に利用することで、そのエネルギーを有効活用できます。

次に、**CO2排出削減**です。
今回の例だと、オリンピックのプール加熱に利用することで、多量のCO2排出を防ぎます。

最後に、地元自治体への貢献です。
パリ市からの投資を受け、住民に無料でエネルギーを提供する計画も含まれています。

しかし、**効率的かどうか**については、データセンターの設計や具体的な利用方法にかかっています。

Anne-Laure Ligozat教授の指摘によると、データセンターは大量のリソースを消費するため、これだけに頼るのは現実的でないという見解もあります。

廃熱利用は確かに有効ですが、他の基本的な電力加熱システムの方が環境影響が少ない場合もあるとのことです。

データセンターの存続とリソースの持続可能利用は重要な課題ですね。