観光客や若者でにぎわう東京・渋谷で、路上飲酒が横行し、問題となっている。空き缶のポイ捨てや騒音などの迷惑行為は後を絶たない。区はこれまでハロウィンと年末年始に限っていた路上飲酒の禁止期間を今年10月から通年とし、対象エリアを拡大する条例を制定。マナー向上を呼びかけている商店街の関係者らは「年々マナーが悪化している」と怒りを募らせている。
カオス化する深夜
「日本は路上飲酒に寛容だとは感じていたが、これほどとは…」
日が落ちても蒸した熱気が漂う6月の週末。深夜の渋谷・センター街を歩く韓国人男性は、啞然(あぜん)とした様子だった。
午後10時過ぎ、コンビニ前には、外国人の人だかりができていた。路上に置かれたスピーカーから爆音で音楽が流れ、片手に酒の缶を持った外国人たちが「フォー」などと声を上げながら踊る。周囲の人も参加し、路地にはまるでクラブのような雰囲気が醸成されていく。
区の防犯パトロール隊が周囲を巡回し、「ごみを片付けてください」などと注意するが、聞く耳を持つ様子はない。時折、タクシーなどが通れずクラクションの音が聞こえる。群衆はなかなかよけない。狂乱の夜はこの日も深まっていった。
ごみの多さも目につく。混乱の少ない夕方から、少しずつ増え、コンビニのごみ箱や、建物の外に置かれた飲食店用のごみ箱が、酒の空き缶で埋め尽くされた。やがて建物の隙間や裏など、ごみを置く場所以外にも放置されていった。
コンビニ前で飲んでいた日本人女性2人組は、「路上飲酒そのものがダメだとは思わないが、せめてマナーを守って飲んでほしい」とため息をついた。
環境改善なるか
スクランブル交差点の風景など、渋谷はもともと外国人に人気のスポットではあったが、近年は路上飲酒が交流サイト(SNS)を通じて話題を呼んでいる。
インスタグラムなどのアカウント「SHIBUYA(シブヤ) MELTDOWN(メルトダウン)」では、渋谷駅周辺で酔いつぶれる人の写真や動画を多数アップ。海外では路上飲酒を厳しく取り締まる国も多く、外国人観光客からすれば、渋谷は「非日常」を楽しめる場となっているようだ。
こうした現状を受け、区は6月、渋谷駅周辺の広いエリアで夜間、路上飲酒を禁止する条例を制定した。今年10月から施行され、午後6時から翌午前5時までの間、警備員らがパトロールに当たる。違反した場合の罰則は設けていない。区安全対策課の担当者は条例の制定で、「迷惑行為だけでなく、置引などの犯罪も減らせると思う」と期待を寄せた。
「断固として取り締まりたい」。渋谷センター商店街振興組合の鈴木達治理事長は、こう憤りをあらわにする。昨年9月から防犯パトロール隊の巡回時間を深夜まで延長するなど警戒を強めている。
「これまではパトロールをしていても、路上飲酒を禁止する根拠はなかった」と、鈴木理事長は振り返る。問題の解決には時間がかかりそうだが、「条例ができたことで、強制力を持ってダメだといえるようになることは一歩前進」と評価している。
◇
路上飲酒が行われているのは渋谷だけではないが、自治体の対応はまちまちで、路上飲酒の深刻さと地元の受け止めには大きな地域差があるようだ。
東京都新宿区は6月、歌舞伎町周辺で10月31日夕方から翌11月1日早朝の「ハロウィン」に限定して、路上飲酒を禁止する条例を制定した。
新宿区によると、昨年のハロウィンでは、渋谷区が路上飲酒の禁止を導入したほか、渋谷に来ないよう呼びかけを行った結果、歌舞伎町に多くの若者が流入。ごみが路上に放置されるなど新たな問題が生じたという。区の担当者は「飲酒による迷惑行為や事故を起こさず、ハロウィンを終えたい」と話す。
上野や浅草といった観光地を抱える台東区の担当者は、上野公園で夜間に飲酒している人はいるものの、「迷惑行為に関する苦情はない」と説明する。
中華街やみなとみらいのある横浜市も、「新宿や渋谷のような状況には至っていない」としており、いずれも条例などで規制を強化する動きはないという。(宮崎秀太)
引用元 https://www.sankei.com/article/20240704-NIRT52RHCNOC3HOWLTGA3G2LWM/
みんなのコメント募集中
- 罰則がない禁止条例というのはなかなか徹底が難しそうですね。注意や指導くらいしかできませんから。できれば1年くらいを周知期間として罰則なしにして、それを過ぎれば過料を徴収するくらいしたほうが効果が上がるように思います。全国の自治体で路上禁煙地区の道路上で喫煙した場合は1000~2000円の過料を徴収している例がありますからね。
- 日本が無法地帯と化している現れだと思う。 好き勝手やっても罪に問われず、注意されても聞く耳持たず、それでも問題無し。 日本は犯罪者に甘く、法律も犯罪者を最大限擁護する為に存在している。この様な状況では、自国に比べると何の縛りや法律も無いに等しい日本で好き勝手やるのは自然の流れ。 今後も外国人は増加の一途を辿ると思うが、日本を犯罪者天国にしない為には、あらゆる法律を見直し、犯罪に対しては厳しく対処する、て事を徹底しないと、今後、日本は益々無法地帯となる。 タバコ同様に飲酒も場所など規制すべきで、これは日本全国一斉にやるべきだと思う。 飲酒の方が、喫煙よりはるかに経済的な損失や人的、物的な被害が多いと思う。
- こう言うのは最初が肝心。最初に厳しく取りしまると効果がでる。逆に甘い取締で効果がでないので途中で厳しくしても効果は上がらない。ガツンと食らわすショック療法が効果的です。まごまごしていてはいけません。
- 路上での飲酒は罰金1万位の罰金にすればどうかな? 元警察などに巡回させて その場で撤収すればどうかな? 払わ無いときは逮捕まで出来るようになれば 前科も付くので良いのでは?
- 日本人は優しいとか寛容⁇ 違うでしょう社会秩序を守らない輩に対して異常に甘い! 外国人から日本人は何時笑顔?で表情が分からん、だから何をしても問題無しと思っている。 この手の事案は徹底して警察が介入し外国人だろうが日本人だろうが取り締まり逮捕しないと馬鹿にされるのは当たり前です。 最初が肝心で秩序を守らないと処罰されると認識されてください!
- かつての路上喫煙禁止地区設定と同じように、徐々にでも良いので全国に拡がってもらいたいです。酒もタバコも節度が大切。吸い殻や空き缶のポイ捨ても、もっての外です!
- 酒を飲んで、殺人、強姦、暴行、破壊。それでも「覚えていません」と言い張る輩もおる。自覚も無い。 ヤク中と同じ。対策として原因となっているアルコール飲料の規制に行き着く それでも毎日大量に放映される飲酒広告は反社会的 タバコと違い酒はこのような規制が無い所では歩行飲酒OKだし、税金も高くない。 メーカーの献金が効いているのか?
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