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日本時間の2024年5月4日5時10分から5時49分にかけて、ドル円レートが157.5円から一時152.8円付近まで5円近く急降下しました。市場関係者の中では、先日為替介入と噂されている急変動があったばかりですが、今回、取引量の薄いウェリントン市場で為替介入が実施されたとの見方が広がっています。

先日、財務省神田財務官は、「介入の有無について私から申し上げることはありません。」「24時間態勢でありますので、ロンドンだろうがニューヨークだろうがウェリントンだろうが関係ありません。」「過度な変動が投機によって発生してしまうと、それが国民の生活に悪影響を与えるので、国際ルールに則って然るべく対応をしてまいります。」と述べています。

そのため、今回のドル円相場の急変動に関して、市場関係者の間では、財務省がFOMCを見極め、為替介入を実施したのではないかと見解が強まっています。FOMCは、前回比引き続き、6会合連続となる金利の据え置きが発表されています。

In support of its goals, the Committee decided to maintain the target range for the federal funds rate at 5-1/4 to 5-1/2 percent.

連邦公開市場委員会(FRB)|FRBがFOMC声明を発表

FOMC議事録の日本語訳

最近の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大を続けていることを示唆している。雇用の増加は力強く、失業率は低水準を維持している。インフレ率はこの1年で緩和したが、依然として高水準にある。ここ数ヶ月は、委員会のインフレ目標2%に向けた進展が見られない。

当委員会は、最大限の雇用とインフレ率2%を長期的に達成することを目指している。委員会は、雇用とインフレの目標達成に対するリスクは、この1年でより良いバランスに向かっていると判断している。経済見通しは不透明であり、委員会は引き続きインフレ・リスクに細心の注意を払っている。

その目標を支持するため、委員会は米国の政策金利の目標レンジを5.25%~5.50%に維持することを決定した。政策金利の目標レンジの調整を検討する際には、委員会は入ってくるデータ、進展する見通し、およびリスクのバランスを注意深く評価する。当委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信が深まるまでは、目標レンジを引き下げることは適切ではないと考えている。さらに委員会は、財務省証券、政府機関債および政府機関住宅ローン担保証券の保有残高の削減を継続する。委員会は6月から、財務省証券の月間償還上限額を600億ドルから250億ドルに引き下げることで、保有証券の減少ペースを緩める。委員会は、政府機関債および政府機関モーゲージ担保証券の月間償還上限を350億ドルに維持し、この上限を超える元本支払いは財務省証券に再投資する。委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強くコミットしている。

金融政策の適切なスタンスを評価する際、委員会は、経済見通しに関する入ってくる情報の意味を引き続き監視する。委員会は、委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが出現した場合、金融政策のスタンスを適宜調整する用意がある。委員会の評価には、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢など、幅広い情報が考慮される。

金融政策決定に賛成したのは、ジェローム・H・パウエル議長、ジョン・C・ウィリアムズ副議長、トーマス・I・バーキン、マイケル・S・バー、ラファエル・W・ボスティック、ミシェル・W・ボウマン、リサ・D・クック、メアリー・C・デイリー、フィリップ・N・ジェファーソン、アドリアナ・D・クグラー、ロレッタ・J・メスター、クリストファー・J・ウォラーの各氏。

2024年4月29日の為替介入に関する情報

為替介入が実施されたとの見解が強まっている2024年4月29日の円相場は、160円台まで下落したあと、一気に154円台まで値を戻す場面がありました。

日銀が公表した統計によると、当座預金残高の見通しで、市場予想と5兆円以上のズレが生じていることから、政府および日銀が5兆円規模の円買い介入を行った可能性が示唆されています。