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東京大学に東北大学、九州大学。もう10回以上も人事選考に落ちた。 私、山内悠輔(43)は電池や触媒の性能を高める技術を開発した。大学院で論文を20本以上書き、将来のノーベル賞候補にも挙がった。どれだけ業績を上げても門前払いだった。日本の科学界に絶望して約10年前に海外へ去った。 渡航先のオーストラリアは別天地だった。東大と競う名門大学がメール1通で教授に採用。研究に没頭する日々のなか、青天のへきれ …