台湾TVがTSMCアリゾナの進捗を調査: 3つのFab
TSMCはアリゾナ州フェニックスで大きく前進しており、Fab 21フェーズ1で4nmおよび5nmクラスのプロセス技術によるチップの量産を開始しようとしている。
しかし、TSMCが米国、日本、ドイツにファブを建設することで、台湾からの産業移転に対する懸念が国内で高まっていると、Taiwan TV News(TTV)は報じている。
TSMCの中国、ドイツ、日本、米国での海外展開の成功を受けて、台湾では、TSMCが台湾を代表するメーカーのひとつであることから、国内産業への潜在的な影響が懸念されている。
しかし、TTVによれば、ジャーマン・マーシャル基金のボニー・グレーザー氏のような専門家は、フル生産であっても、TSMCの海外工場が貢献するのは同社の世界生産高の10%にも満たないと指摘している。
残念ながら、TTVは実際の数字を共有していない。
台湾のテクノロジー部門は全般的に非常に回復力がある。
TSMCの台湾での新工場計画に関する最近の報道は、この事実を浮き彫りにしている。
その一方で、台湾企業は世界的な拡大を目指している。
TSMCのアリゾナでの試みは、台湾を拠点に技術進歩を推進し続けながら、世界的な存在感を維持するというコミットメントを強調している。
アリゾナ州では、TSMCがFab21の3段階を建設するために650億ドル以上を投資している。
米国政府は、CHIPSおよび科学法に基づき、66億ドルの助成金と最大50億ドルの融資を含む116億ドルの資金援助をTSMCに約束している。
フェニックスの建設現場は活気にあふれており、毎日約8,000人の労働者が現場で働き、ピーク時には12,000人に達することもある。
TTVによると、従業員の多様性は際立っており、さまざまな民族的背景を持つ人材が集まっているため、チーム内での協力と文化的尊重を重視する必要があるという。
TSMCの従業員がフェニックスに定住するにつれて、彼らは新たなコミュニティ・クラスターを形成しつつあり、その結果、地元の起業家たちにビジネスチャンスが生まれ、中国系スーパーマーケットや台湾料理レストランがこの地域に設立されるに至っている。
地元経済はTSMCの従業員とその家族の流入から恩恵を受けている、とTTVは報じている。
解説:
TSMCのアメリカ、欧州、日本でのFabの稼働が始まっているようです。
元記事には海外のFabはTSMCの生産能力の10%程と書かれいてますが、はっきりとはしないようですね。
元記事には書かれていませんが、TSMCが海外にFabを展開しているのは地政学上のリスクを減らすという政治的な意味合いが強いとわたくしは考えています。
年々圧力を強めてくる中国に対するけん制です。
中国は台湾を一つの中国としては自国の領土としていますが、世界最高レベルの技術を誇るFabを要する台湾とアメリカに制裁されて半導体技術の進歩が止まっている中国とでは格差があり。台湾と中国の間には明確な境界線があるのは確実です。
中国のメンツを慮って現状、一つの中国に正面から異を唱えていないだけで実質は別の国です。
台湾も世界から見捨てられないために国策企業であるTSMCのFabを海外展開することにしたのでしょう。
中国が台湾に侵攻して国境線を引き直すなどということになればさすがに黙っては見てられないようにしているということです。
半導体の工場は水を大量に使用しますので、これ以上台湾の工場を増やすことは難しいという事情もあるのだと思います。
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