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>世界のどこかで6時間おきに日本企業が管理する液化天然ガス(LNG)の積み荷が港を出ている。燃料を超低温に保つ巨大な魔法瓶のようなタンカーはエネルギーを大量に必要とする各国に向かう。これらのLNGタンカーは、存在感を増す日本のガス帝国のほんの一部に過ぎない。
>日本が今、LNGを重視しているのは、54基の原子炉を停止させた11年の東京電力福島第1原発事故に端を発している。国内に多くのエネルギー資源を持たない日本の公益会社は、急いで数十年にわたるLNG契約を結び、米国や豪州の施設に投資した。
>しかし、15年になると予想より早く日本は一部の原子炉を再稼働。再生可能エネルギーの普及にも急ピッチで取り組んだ。電力需要が低下し、ガスが余ると、公益会社と商社は過剰分を海外に売却しようと考え始め、シンガポールとロンドンにトレーディングデスクを設置した。