EV開発が遅れていたマツダ。長安汽車の電動パワーユニットを使用!
マツダは、マツダが出資する現地法人「長安マツダ汽車有限公司(以下、長安マツダ)」が、新型電動車「マツダEZ-6(イージーシックス)」を、北京モーターショー2024において初公開した。
「マツダEZ-6」は、マツダと合弁事業パートナーである重慶長安汽車股份有限公司(以下、長安汽車)の協力のもと、長安マツダが開発・製造を行う新型電動車(新エネルギー車)の第1弾。2024年中に中国で発売される。
「マツダEZ-6」は、マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)―Soul of Motion」にもとづいたスタイリングやマツダらしい人馬一体の走行性能を、長安汽車が有する電動技術やスマート技術と組合わせた電動専用車。電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2機種を設定することにより、中国における顧客ニーズや嗜好に幅広く対応する。
日本マーケット投入は微妙!?
世界で最もクルマが売れている中国では、2035年にガソリン車発売禁止を掲げている。すでに、中国メーカーの中には、純内燃機関車の生産から撤退しているメーカーもあるほど。しかも、グローバルでも積極的にEV戦略を推し進め、近い将来、世界をリードする自動車大国を目指している。
そんな中、マツダもEV戦略で大きく出遅れた。しかも、世界最大の中国マーケットでは、今後、EVを含む新エネルギー車(ハイブリッド、PHEVを含む)でなければ販売できない。そうなると、あえて時間をかけマツダ開発のEVなどを投入するより、長安汽車の電動パワーユニットなどを中国現地調達した方が効率的。こうした方法なら、短期間で中国マーケットでEVを販売することができ、営業面でメリットもある。
ただ、こうなると日本を含め欧州やアメリカに「マツダEZ-6」を投入できるのか? と、いうのはなかなか難しいところがあり、中国専用車的な印象が強い。
マツダの代表取締役社長兼CEO毛籠 勝弘(もろ・まさひろ)氏は「マツダEZ-6は、マツダの強みと長安汽車の電動技術を融合させた最新の電動車です。今後もマツダは、先進的なクルマを嗜好する中国のお客様のご要望に応えるマツダらしい商品の導入により、中国ビジネスを反転攻勢するべく、長安汽車とともに取り組んで参ります」とコメントしている。
「マツダEZ-6」の概要
- デザインテーマ「Authentic Modern」にもとづき、魂動デザイン特有の生命感やエレガンスを表現しながら、電動化時代に相応しいスタイリングに注力。シンプルで伸びやかなクーペフォルムを通じて、新しさもありながらクルマが本来もつ魅力を表現。
- ドライバーの意図に対してクルマがリニアに反応するようブレーキやステアリングをチューニング。マツダらしい”人馬一体”を感じさせるダイナミック性能。
- 50:50の前後重量配分(BEV)、フロントはストラット式、リアはマルチリンク式のサスペンション、高速走行時の安定性を向上させる電動リアスポイラーを採用。
- 運転支援および事故被害の低減を図るインテリジェントドライブ機能、車外からでも音声操作が可能なインテリジェントパーキング機能、音声、タッチ、ジェスチャーと、様々な方法での操作が可能なスマートキャビンなど、安全および利便性を高めるスマート機能。
- 航続距離について、BEVモデルは約600km、PHEVモデルは1回の給油で1,000km以上を想定。
マツダEZ-6 主要諸元
外寸(全長x全幅x全高) | 4,921mm×1,890mm×1,485mm |
タイヤサイズ | 245/45R/19 |
駆動方式 | RWD |
乗車定員 | 5名 |