Intel の元シニア・レベルの専門家たちが、成長中のRISC-VコアIP分野をターゲットとするチップ新興企業アヘッドコンピューティング社を立ち上げた。
Intel の元従業員、RISC-Vの力で元会社と競争することを決意、コアIPに注力
Intel の状況は、特に過去数四半期においてかなり暗い。そのため、複数の人物が同社を去ることになったようだが、現在、元Intel 専門家グループが手を携えて、市場向けのRISC-V製品の開発のみをターゲットとする新興企業を設立している。
アヘッドコンピューティングには、デビー・マー、マーク・デシェーン、ジョナサン・ピアース、スリカンス・スリニヴァサンらが参加しており、ジム・ケラー氏のTenstorrentと同様に、市場向けにRISC-VコアIPを開発することを目指している。
Intel で80年以上の経験を積んだ専門家たちが、この業界、特にメインストリームがまだ手をつけていない分野で、この業界にどれだけのコミットメントと専門知識をもたらすかを示している。
残念ながら、アヘッドコンピューティングはまだ市場に対する意向を発表しておらず、そもそも起業の動機となった原動力についても明言していない。
それぞれの元Intel 社員は、特定の分野で豊富な経験を持っている。スタートアップの共同創業者でCEOのデビー・マーは、Intel のフェローであり、アドバンスド・アーキテクチャ開発グループ(AADG)のチーフ・アーキテクトで、チーム・ブルーのハイパースレッディング・テクノロジーを担当している。
同様に、共同創業者のマーク・デシェーンは、Intel のプリンシパル・エンジニア兼CPUアーキテクトであり、Intel のコンシューマー向けCPUに深く関わってきた。
ジョナサン・ピアースとスリカンス・スリニヴァサンも同様の経験を積んでおり、アヘッドコンピューティングがすでに大規模な先行者であることを示している。
さて、ここで大きな疑問は、なぜRISC-Vなのかということだ。
x86とRISC-Vの間には、特にAIとHPCの領域におけるそれぞれのアーキテクチャの使用例という点で、激しい議論がある。
RISC-Vは優れたスケーラビリティとオープンソース環境を提供するため、市場で優位に立とうとする開発者やメーカーにとって、RISC-Vは実に望ましい選択肢である。
Tenstorrentが提供する堅牢なAIポートフォリオは、驚異的な価格性能比を提供すると言われている。
アヘッドコンピューティングがテクノロジーの世界に何を提供するのか、まだ見届ける必要がある。
解説:
Intelの元従業員、RICS-Vの開発企業を立ち上げる
アヘッドコンピューティング社という企業で、この辺りARMのサーバー向けCPUを供給していたNeoverseを擁するAmpere社によく似ています。
元Intelというのも同じです。
さて、RISC-Vは現在では組み込み向けが中心です。
NVMe SSDのコントローラーなどに多数の採用実績があります。
今後はスマホのSoCやサーバーのCPUなどにも進出して、ARMのライバルとなるのかもしれません。
ARMとの最大の違いはオープンソースなことで、RISC-Vからも中国を締め出すようにアメリカが圧力をかけていましたが、RISC-Vの業界団体は反発していました。
オープンなアーキテクチャーですから、特定の国を締め出すというのはより難しくなると思います。
現在はARMにコミットしている企業が多いですが、組み込みを中心に今後はRISC-Vの開発や製造にかかわる企業も増えていくと思います。
元記事はRISC-Vとx86という対立軸で書かれていますが、ARMともろにバッティングするのはRISC-Vのような気がします。
RISC-Vはオープンアーキテクチャーである都合上、一時期ARMから締め出されたファーウェイが盛んに投資していました。
中国のバブルがはじけてからはあまり話を聞かなくなりましたが、どこかの企業が猛烈に投資すると一気に開発が進むのはどこの世界も同じだと思います。
ARMは高効率な命令セット、RISC-Vはモジュラー形式でオプション追加できます。
同程度の記述の開発チームが開発したとき、どちらが高性能になるのかは興味が尽きないところです。
これがさらに脱x86を推し進めるものになるのかどうかは注目です。
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