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北大西洋条約機構(NATO)はウクライナの首都キーウに高位の文民を配置する計画だ。これは同国に対する長期支援の強化を目指す数々の取り組みの一環。米国の首都ワシントンで来週開くNATO首脳会議の場で発表する見通しだ。こうした取り組みは、ウクライナのNATO加盟の可能性を高める狙い。欧州全域で右派政党が躍進し、ドナルド・トランプ氏が米大統領に返り咲いてウクライナ支援を縮小することが見込まれる中での動きだ。NATOはそのほか、ウクライナへの軍装備品の提供や同国軍の訓練の調整を担う新司令部をドイツ西部ウィースバーデンに設立する。この「ウクライナへのNATO安全保障支援と訓練(NATO Security Assistance and Training for Ukraine)」では、司令部に米国やそのほかの同盟国から700人近くが配備される予定だ。2009~12年に駐NATO米国大使を務めたイボ・ダルダー氏は、NATOの取り組みがにわかに緊急性を帯びたことについて「大きな理由はウクライナ支援努力におけるトランプ対策だ」とし、「訓練・支援管理を担当するのが米政府でなくNATOになる。米国がこの取り組みへの支援を撤回したとしても、抹消されることはない」と話した。