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お墓に入れない…
日本で最期を迎える外国人たち

290

出演者

  • サヘル・ローズさん (俳優)
  • 石井光太さん (作家)
  • 井上 裕貴 (アナウンサー) 、 保里 小百合 (アナウンサー)

  • 行き場がなく お墓に入れない遺骨
  • 行き場がない遺骨が家に…
  • 土葬できる墓地が欲しい 在日イスラム教徒と地域住民
  • 火葬か土葬か 埋葬文化の違い 浮き彫りに
  • 外国人を共同の墓で埋葬 迫られる多文化への対応
  • ドイツでの取り組みから考える 外国人の墓地問題

行き場がなく お墓に入れない遺骨

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行き場がない遺骨が家に…

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土葬できる墓地が欲しい 在日イスラム教徒と地域住民

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火葬か土葬か 埋葬文化の違い 浮き彫りに

日本に暮らし、生涯を終えた外国人の方々のお墓がない。この問題にどう向き合うか、ゲストのお二方と考えます。イラン出身で、8歳のときに来日された俳優のサヘル・ローズさんです。よろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

そして、日本に暮らす外国人の方々を多く取材されてこられました、作家の石井光太さんです。よろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

現在、日本で暮らす外国人はおよそ290万人。高齢化や、宗教、文化の違いなどからお墓を持つことができないという方が増えています。大分県で起きていたようなイスラム教徒の土葬の墓地開設の動きについて、今回番組が調べたところ、宮城県や新潟県、鹿児島県など、全国各地で起きていることが分かりました。

石井さん、まずこの現状に至った背景に、どんな理由があると考えますか。

都市ではなくて、なぜ地方でこの問題が起きたのかということが大きな問題だと思うのです。やはり日本というのは非常に地方が少子高齢化が進んだ中で、労働人口は足りなくなり、海外からたくさんの外国人の方を招いて担ってもらったわけです。
しかしそれが30年、40年たって、この「墓地」という問題にぶち当たってしまった。これから本当に介護サービスであるとか、コンビニとか、そういったところで非常に多くの外国人に力になってもらおうと思っています。
そう考えた時に、本当に20年後、30年後の日本に対して、警告をしているような問題なのではないのかなと思っています。

今、石井さんに背景を触れていただきましたが、今回の取材でお墓に困る背景。主に3つの要因があることが分かってきました。
まず「言語・情報の壁」、「埋葬方法の違い」、更には「偏見」といった理由がありますが、まずはVTRでもあった「埋葬方法の違い」について、サヘルさんと石井さんにお伺いしていきます。
サヘルさん、やはりイスラム教徒の方にとって、土葬というのは人生の終わりの中で何よりも大事なことですよね。

はい。 日本で生活をしている外国の方々というのは、本当にこの地を愛していて、最期はこの国で終えたいと思っているからこそ、きっと今こういう議題が、テーマが上がってきてると思うのですが、いろんな所で折り合いはつけて、共に生活をしていく、もちろん生活はしてきておりますが、人生の最期 、これに対してはやはり宗教だったり信条は、譲れない部分もあるのは否めないと思うのです。

石井さん、そもそもなのですが、日本では法律で土葬の墓地を制限するような制約はないと思うのですが、それでも進まないという。このギャップというのはどう見ていますか。

そうですね。本当に20~30年前まで日本でも、地方に行けば土葬ってあったことはあったんです。
ただ、今この時代になって突然、外国人問題ということでまた土葬の問題が出てきた時に、変わってしまったものなのでどうしていいか分からないというのが自治体の方々の本音でもあるし、地域の方々の本音でもあると思うのです。
やはり外国人に対して、差別でそうやっているというよりかは、今突然そう言われてもどうしていいか分かんないよ、というような地域の叫びなのではないかなというふうにもとれると思っています。

そしてサヘルさん、もう一つお伺いしたいのが、やはり多くの外国の方にとっての共通の問題である「言語の壁」。VTRにもありましたけど、この辺はどう見ていますか。

正直このお墓問題に対して、どこの窓口でどういった手続きをすればいいのか。私は長年日本に住んでいて、もうそろそろ29年になるのですが、どんなに言葉をこうやって流ちょうに話せたとしても、難しい言葉はたくさんあって、習得できてないこともたくさんあるのです。
そうなるとやはり「言葉の壁」によって、人生の最期を迎えた時に日本の異国の地の中でどういう手続きをして、どういうふうにやりくりをしたらいいのか戸惑ってしまっているっていうのは、本当に現実としてある問題です。

その「言語の壁」1つ取っても、非常に根深い問題があるのだなということが伝わってきますし、ただ一方で、こうした問題に向き合う時に必ず出てくるのが、「郷に入っては郷に従え」という考え方でもあるのですよね。

そういうお言葉、たくさん私自身も日本に来た当初はよく耳にはしました。それに一生懸命応えようとすることもたくさんあるのですが、日本の方々の不安と意見も正しいのです。
相手の立場にお互いがなることはすごく大切で、それは日本の方々が外国に行かれて外国人になった時に、異国の地でどう思うか。

例えば、日本人がインドに駐在してます。そして亡くなりました。その時に、もしガンジス川で流されてしまいました。それがいいと思うのか、悪いと思うのか。どう思いますか?ということだと思うのです。
大方の日本人っていうのは、それに対して「なんで日本流にきちんと弔ってくれないの」というふうに思うと思うのです。
でも、それと同じことを日本は外国の方々にしてしまっているわけなのです。やはりお互いがお互いの立場に立って考えて、そして一歩引いたうえで、じゃあどうやったらいい解決が生まれるのかということを考えていく必要があると思います。

本当に日本に来て、日本で暮らした方々のお気持ちを、どれだけその立場になって考えられるか、ということですよね。先ほどご覧いただいた現場では、こうした課題に向き合い始めた動きもあります。

外国人を共同の墓で埋葬 迫られる多文化への対応

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ドイツでの取り組みから考える 外国人の墓地問題

模索が始まった現場の取り組み。石井さん、どのように受け止めましたか。

今紹介された方々の取り組みというのは、非常にいいと思うのです。ただ、これが本当にごく一握りの人たちがやってることでしかにすぎないのです、現状としては。そう考えた時に、きちんと国、自治体で取り組んでいく必要があると僕は思っています。

本当に真の解決ではなくて、道半ばということなのですが、この外国人の墓地問題の解決に1つ参考になるのが、ドイツでの取り組みです。
ドイツ中部、ヘッセン州のフリードベルク市。人口はおよそ3万で、そのうち10%をトルコから来た移民などのイスラム教徒が占めています。市内にある公営墓地を訪ねると、キリスト教徒の墓地の隣にあったのは、イスラム教徒の墓地。

市では増加するイスラム教徒の要望を受け、10年前に専用の区画を整備しました。この動きを後押ししたのが、トルコから来た移民の1人、レジェップ・カプランさんです。

 

カプランさんは、外国人で構成される「外国人諮問委員会」という組織の会長を務めています。「外国人諮問委員会」とは、市内で暮らす外国人で構成された公的機関です。議会や行政、裁判所などに外国人の要望を提案します。

外国人が多く住む自治体に設置されていて、メンバーも外国人によって選挙で選ばれています。

先ほどのイスラム教徒のための墓地も、この委員会の提案を受けて市が整備したのです。

 

ドイツでは外国人の要望を受け止める公的機関があり、それが墓地建設に重要な役割を担ったということなのですが、サヘルさん、中でも印象に残ったのが市長さんのお話で、最後に「彼らは納税者」ということばがありましたよね。

私もその言葉って本当にすごく大切で、日本で生活している私たち外国の方々もやはり納税者なわけで、税を払っていて日本で共に生活をしていて、社会と共に貢献している一人なわけじゃないですか。ですから、そういう方々の意見だったり、考えだったりというのもちゃんと行政に届く、そういう声が届く場所っていうのはあって当たり前の人権でもあるとすごく思っていたので、いい見本だなとすごく思いました。

そうですね。それこそ多様な意見といいますか。多文化共生とはいうものの、何となくやはりどうも生きている間だけの共生といいますか。やはり僕たちは、死後の話も考えないといけないのかなとすごく思いましたね。

イスラム教徒のカーンさんは、イスラム教以外の方の問題でもあるとお話しされていましたし、取材した林さんは「死んだらゴミになる」。そのお話を聞いて、考え方を改めていったというお話をされていました。
本当に外国にルーツを持つ方々に、どう私たち日本社会は向き合っていくのか。突きつけられているなと感じましたが。

僕はやはり、国と国民がそれぞれ考えなきゃいけないことだと思っています。国はやはり、外国人の方々を例えば技能実習制度のような形で短期間だけ来る人たちというふうにみなしてですね、ずっといるっていうことを想定していないと言うんですね。
だけども実際問題、これはもう移民なんですよ。そう考えた時に、やはりきちんと受け入れる時は彼らの死後まできちんとみてやらなきゃいけない。
でも、それをやらないから地方の人々、あるいは外国人、その家族にしわ寄せがいってしまっているのです。
であれば、やはり日本政府、国もきちんと現状に向き合って、そして、その死後というものに対してきちんと取り組んでいく必要があると思っています。
それが本当に、このグローバルな社会の中で自分たちはきちんと受け入れている、きちんとした先進国なんだというところをプライドを持って言える国の在り方だと思うのです。

そうですね。これから日本社会でも、学校で外国籍の子がいたり、もしくはダブルの方がいたりと、もしくはたまたま好きになった方が外国の方っていうのはありえるわけじゃないですか。

大いにありますね。

大いにありますよね。その中で彼らを「外から来た人」ではなくて、自分の隣人だったり、お隣さんがもう外国の方という部分では、私たちはもう横を見れば、そういう方々と関わり合っているわけですよね。
もちろんこのテーマっていうのは1~2回で解決されることではないですし、これから先もたくさん多分問題点、山積みではあると思うのですが、でも今日これを見てくださった方が少しでも知ってくれた。入り口に立ってくださっただけで、これをまた家族の中で話したりとか、じゃああの国のあの子はこういうふうに悩んでるのかもしれない。じゃあ、ちょっとその声を聞いてあげようとか。そこから後は一歩踏み出せるのは皆さんだと思うので、「知ってもらうこと」がすごく大切だと本当に思えた日でした。

日本に暮らす外国人の方々。これは一時的でもなければ労働力でもなくて。本当にこの日本の社会を支えてくださっている一員であって、どう私たちがこの社会をつくっていくのか、みんなで向き合って考えていくべき問題だと改めて感じました。ありがとうございました。

引用元 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4574/



みんなのコメント

  • ならぬものはならぬ!
  • そうですかここは日本ですが何か?
  • だから絶対に日本に来てはいけない
  • 絶対ダメなんですか では人生最期を日本で迎えるのは不可能ということですね。 他の場所を探してください
  • 日本に来て普通に豚食ってるんだから絶対は無い
  • NHKが新ビル内に土入れて、NHK本社ビルないに土葬できるエリアを作ればいいじゃんw 国民から詐欺で巨額(6000億以上)詐欺してるなら その金で自社内に土葬エリア作ってやれよw
  • そうなのですね 日本はイスラム教国家ではありません 最期を尊ぶなら日本以外がいいですよ
  • なぜ日本に来る前に土葬の可否を確認しなかった?
  • イスラム教って唯一神なのにそんじょそこらに神社とかお地蔵さんある国に住むのは大丈夫なの?
  • そういうの聞いてあげるから 日本ではやれそうだと 期待されてしまう
  • じゃあ日本には住めないね

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