2025年大阪・関西万博の開始まで、あと1年あまり。開催されれば多数の来場者が押し寄せるだろう。そこで気になるのが、会場敷地内やその周辺における飲食物の価格だ。
大型イベントが開催されれば、会場内やその周辺の飲食店に客が集まる。となれば、これらの店では割高な「観光地価格」が適用されてもおかしくない。万博では、どのような展開が予想されるだろうか。
外国人観光客を意識して高価格に?
「観光地価格」で最近、話題になったケースがある。2024年2月1日に東京・豊洲市場の場外エリアに開業した観光施設「千客万来」だ。市場のすぐ近くという立地を生かした新鮮な魚介類の料理をはじめ、土産物を扱う店が多数入居。それらの商品の一部が、外国人観光客を意識した高価格帯になっているといったものだ。数千円の海鮮丼を表わす「インバウン丼」なる新語まで誕生した。
時期を同じくして、北海道の観光地・ニセコにおける飲食物の価格高騰も話題に。多くのスキー客が訪れる同所では、「カツ丼1つ3000円」「ラーメン1杯2000円」といった高価格メニューが現れ、バブル現象であると分析する報道が相次いだことは記憶に新しい。
来場者の日本人と外国人の比率がカギ
となれば、大阪万博でもこのような飲食物の価格の高騰は起こるのか。J-CASTニュースBiz編集部は、街作りの専門家で内閣府「地域活性化伝道師」も務める木下斉氏に取材した。一部、高価格帯で営業する店は出現する可能性があるものの、「インバウンド価格で販売する事業者は、基本いないと思います」と予想した。
理由は、来場者の日本人と外国人の比率。「大阪・関西万博 来場者輸送具体方針(アクションプラン)初版」では、次のように言及されている。
「来場者総数の約2820万人のうち、国内来場者は約9割、海外来場者は約1割と想定される」
木下氏はこの点に触れて、「ほぼインバウンドで占める豊洲施設(千客万来)などニセコ地域とは異なり、9割は日本人向けのイベントです」と、万博の特徴を説明した。
では、万博の敷地内やその周辺での食事に「二重価格」が設定され、日本人であることを示すために写真付きマイナンバーカードを示すと安くなるようなケースは起こり得るか。木下氏は、万博は公益法人による主催かつ補助金も多く投入されるイベントであると指摘しつつ、「国内外で価格差をつけるのは差別的かつ、万博の運営が複雑になるためやらないと思います」。
(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)
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